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夏の終わりには夏の熱を想い出す
灼熱の風が海を渡り私の空の心を満たしてゆく
宿場町には少年のたましひが眠り
青年はただ少年の心の殻を割るために走る
夢の中でのともしびは
来世の光をそっとその躰に宿し
灯篭はほのかに光り家主は団扇で亡くなった心を想い出す
夏とは概念として至高
ただ空は青い
ひとけのない宿場町で
街灯ののともしびが湿り気を帯びてきた
幸せの定義はあの頭陀袋の中のたましひの数
入道雲はいつまでも幸福の中を漂って
カルトは若い少年に線香花火の火花のような一瞬を
そちらにいってはいけないよと
誘う腕は幽かにほの冷たく
暗がりの中でいつまでも誘蛾灯が光る虫を集める
母の背中には消えない過去がある
年老いた猫が陽だまりの中に堕ちている
通りを行く自転車の老人の人生には
どれだけのドラマがあったのだろう
宿場町のお昼時は全ての生き物が
息絶えたかのように静けさが堕ちている
夕べ食べ残したクラゲが
シンクタンクの中で
遠くの國に行きたかったと嘆いている