長刀の稽古に勤しむ奥女中。裾にぼかしが入った水色地の着物には、楓と雪芝文があしらわれています。渦巻文様に鴛鴦が泳ぐ帯は矢の字結び。長刀は護身用として武家女性の嗜み。襷掛けと鉢巻で気合十分。
楊州周延 『千代田之大奥 長刀稽古』ヨリ

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手回し扇風機を回す大奥の御小姓。湯上がり御台様の傍らで一生懸命、風を送っています。稚児髷に、肩上げした夏物の振袖姿。袖や裾には、葵や朝顔、源氏香、秋草や松などがあしらわれています。帯は宝相華文様で、矢の字結び。
楊州周延 『千代田之大奥 入浴』ヨリ

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湯上がり浴衣姿の御台様。波濤文に、水車の回りに桜がつけられた揚水車文様がオシャレで素敵。髷は片はづし。御台所の入浴は毎朝行われ、浴衣(バスタオルの役目)に汗を吸わせた後、お召し替えをします。
楊州周延 『千代田之大奥 入浴』ヨリ

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大奥女中、有事の時のスタイル。(大火に立ち退くシーンらしい)
梨子打烏帽子(なしうちえぼし)に薙刀を手にした姿は勇ましく、まさに武家の女!カッコイイ。そして黒紋付振袖に、竹文様があしらわれた白帯のコントラストの美しさよ。
楊州周延 『千代田之大奥 おたち退』ヨリ

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