(酒瓶の蓋をひねる音)

ん〜…!いい香り!
間違いなく上モノッスね
よっと…

(顔から「狐面」を外す。そこには非常に端正な顔立ちをした女がいた)

(切り揃えられた黒髪。切れ長の瞳にスッと通る鼻筋。肌は雪の様に白い)

(美しい形の唇を瓶の口に近づける)

1 11




吹き飛ばされたDr.ケイオスは軋む様な異音を立てながら、身体を起こそうとする。

そして、その痛々しい見た目に反し、先程同様やたらに高い「ノリ」で、高らかに宣言した。

「ここで ハイクだ‼︎」

僕ちゃんの/ほしいデエタは/揃ったよ

1 8




……痛みも感じず、自身の状況も全て把握しているDr.ケイオスの「叫び」。
ー生き物の悲痛なそれとは違い、彼のそれは、ただただ、「なにかを模倣」した、無味乾燥な「音」でしかなかった。

1 8



ア〜…なんだっけ…?
そうそう!
たしか…「カラテ」がしたいとか言ってましたね…

(帯がユミエの手と脚に集まり膨らんでいく)

Grumpy…
(おこりんぼう)

(やがて帯の四肢が出来上がる。まるでユミエから「巨人」の手足が生えているようだ)

見せてやるよ…カラテ

1 7



形だけでは無く
「色」も私の自由自在…

(とうとう生きたDrケイオスは1人になる)

アンタがキモいポーズで見える帯を避けている間、そこら中に擬態させた帯を張らせてもらったッス
(ユミエが咳き込む)
まぁ…
一発もらってアバラをやられましたが…

(ユミエは最後の1人に近づく)

1 9




最終的に増えたその数、十人!

「今度は僕ちゃんの番だよ♡」
その全てがユエミに襲い掛かる!!

2 18




(やっぱ本体からの操作じゃ無理か……まぁ長くは持たないだろうけど、ギリギリまで付き合ってもらうね♪)

「デジタル・ブンシン・ジツ!!」

突如Dr.ケイオスの周囲に煙幕が展開!
そしてあろうことか、Dr.ケイオスの姿が増えていく!!

1 13




凄まじい速度で襲いかかる四本の鎌とニンジャ本体。しかしそれは全て空を切ったー

Dr.ケイオスが、人体の摂理を無視した姿勢で攻撃を回避したのだ
そのまま脇腹に右ブローを決め、吹き飛ばす

「Are you in a bad mood? グフフ♪」

着地したその姿はホラー映画じみていた

1 12



言ったたろ、ごっこ遊びさ!
さあ!ニンジャならニンジャらしく僕チちゃんと「カラテ」で勝負しろ!
(炎を背にポーズを決める)

アッハハ!カラテって…
も〜どうせその身体、遠隔操作のお人形ッスよね?

(ため息)
なめてんのか…?
機嫌が悪いんだ
一瞬でバラバラにしてやる…!!

1 10




「・・・この衝撃、そうか・・・」
一瞬見えた閃光は、慣れしたんだレイブレードの輝きだった。
先行偵察の折、つけられていたのかもしれない。

『クゥゥー・・・』
コケコ卿がゆっくりと降りてくる。視線の先には、市民の骸があった。
そして、カートリッジの異様な中身

0 11