火蛾のゐぬゴッホの夜のカフェテラス

永遠に不在 

の「#炎舞」の火蛾は、生きながら舞うという永遠性を感じます。

永遠という強情な時間がある
 
永遠はコンクリートを混ぜる音か 青鞋
 
物言わぬ椿のつぼみ取られけり 青鞋

絵は御舟の「椿(つばき) ノ花」
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大きくて家に入らぬ春の蠅 

主宰誌『壜』昭和59年初夏号№34号

越冬した家蠅の悲劇 井伏鱒二の山椒魚みたい

家蠅に家の虚空を愉します 青鞋
  
大きく育った家蠅との共存ありやなし。

春の蠅牧師は打たずただ見遣る 

楽しくてどうにもならぬ蠅の番  見張り番

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昭和期の美作の地に雪降れり 青也

俳句広島昭和59年3月号の阿部青鞋4句

感情や山には山の雪がふる

造られしまゝ牡丹雪落ち始め

里雪は水を跨いでつもりもす

つもりゆく雪や胎児が母を蹴る

雪見だいふくのように雪に閉じ込められた部屋に妊婦がおり、そのお腹に胎児がいる

あっ、お腹が動いた

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黒文字と遊戯が些中栄螺かな 佳子

くろもじと ゆうぎがさなか さざえかな

栄螺がヒロインの一物仕立ての句か

梅匂ふ栄螺の殻のなかまでも 阿部青鞋

河田墨書コレクションより

左の写真は黒文字ようじ

右上が栄螺、右下はながらみ
, https://t.co/Goag7WGqXI

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青鞋忌ヒト科の皮フの拡がれる 日午

ひうまさんは青鞋の句へのオマージュと言う。

わが皮膚はわがサーカスを覆ひをり 阿部青鞋

人は誕生から晩年まで少しずつ水風船のように拡張する。
人の体は6割が水で
皮膚は人体最大の臓器で様々な役割を担っている。
サーカスとは健康な心臓の暗喩なのか。

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昭和俳句は遥か遠くにならざるや

昭和衰へ馬の音する夕かな 三橋敏雄 ※写真左

泥の馬映せば空も少し映る 阿部青鞋 ※写真右

馬上より淋しく一人静かな 攝津幸彦

生き急ぐ馬のどのゆめも馬 攝津幸彦

馬の眉間の白ひとすぢや山始 小澤實

馬の尾のうるさうるさと夏藜 小澤實 ※あかざ
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「阿部青鞋研究」第2期第3号を発行しました。
全国のコンビニで1月6日までネットプリントできます。A3・1枚20円

セブンイレブンのネットプリント
→ 52857523

ファミマ、ローソン
→ C830BRWYWQ

◆執筆 : 嶋田奈緒 小川蝸歩 妹尾健太郎 ◆資料協力 : 橋本直 (敬称略)

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【絵俳句】にんげんをもうすこしやってみるつもり/阿部青鞋

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