── これは平凡な物語 。

「靴下が見つからなくて、自転車の鍵をどこに置いたか忘れて、遅刻しかけた。筆箱がカバンに入っていなくて落胆して、下駄箱で会った友達と一緒に先生に怒られて、げんなりしながら一限の用意をする」

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── これは空白の物語 。

「生きていなかったようなものだった。美味しいものが美味しいことも忘れていた。綺麗なものが綺麗なことも忘れていた。周りのものに価値があることを、今だから理解できる」

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── これはいつか忘れ去られる物語 。

「シアを知ってる人はいつか死んでいくから。その時またシアを知る人が生まれたとして、その人も、みんな死んでいく。何が残るんだろうね。骨は拾ってくれなんていうけど、拾ってくれる人がいる保証ある?」

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── これは終わるための物語 。

「先生に言われたんです、君は何者かになるだろうって。今のところまだなんですけど。とはいえ死後評価される可能性もあるとしたら、死ねないうちに全力で作品遺そうって思ったんですよ」

12月下旬配信開始予定 。

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