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「――全部」
「全部抱えて、それで矢野くんなんじゃないかな?」
「だから……うん、無理にこういう人間だって、思い込むことはないと思うの」
「それでも間違いじゃないって。わたしは思ったんだ」
友人から聞いた『矢野のイメージ』は、驚くほどバラバラで……。
明るい『偽物』の僕と、『本物』の繊細な僕。
――本当に、それが正しかったんだろうか?
そして、秋玻・春珂たちも、同様に自分に対する疑問に向き合うことに。
「二重人格って……『秋玻』と『春珂』ってなんなんだろう」
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MEMORY
『三角の距離は限りないゼロ7』
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最終巻発売まであと1⃣日!
そして――僕らの三角関係の。
最後の十日間が始まる――。
その日の夜。
夢を見ていた。
恋をしている夢。
僕が好きな、君と一緒にいる夢――。
そこにいる君に、僕ははっきりと、恋をしている――。
でも、矢野は気づく。
夢の中で、恋していた女の子。
その子は、どう考えたって――。
――秋玻でも、春珂でもなかったのだ。
【第6巻了】
「わたし、ちょっと楽しい……」
「流れによっては、春珂をすごく傷つけるかもしれないしけど」
「でも……やっぱりうれしいんだ。色んなことを気にせず、わたしたちを見てもらえるのが。矢野くんの本心から選んでもらえるのが」
「生まれて初めて思うかも。もっとわたし、かわいくありたい……」
「――やっぱり、選んでください」
「――どっちを好きなのか。気持ちを確かめてほしいです」
これから、二人がどうなるかわからない。
けど、気持ちに嘘をついて、ぬるま湯に浸ったままでいる。
それだけは、きっと間違いなんだろう。
決めるときが、来た――。
「わかった、選ぶよ――」
【第5巻了】
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MEMORY
『三角の距離は限りないゼロ5』
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最終巻発売まであと3⃣日!
『――同じだけ、わたしたちを大切にして』
『――同じだけ、わたしたちを好きになって』
矢野と観光地を回り、刺激を与えようとする秋玻・春珂。
けど矢野は、二人がなにか無理をしているように見えて――。
その時、矢野の中である『衝動』が生まれる。
「なにか……言いたいこと、我慢してるんじゃないのか?」
二人に無理なんてさせたくない。
そのために――なにかしなくちゃいけない。
秋玻と別れてから一ヶ月。
季節は十一月となり、修学旅行が近づいていた。
だがあれ以来――
「……おはよう、矢野くん」
「……矢野、くん?」
「……」
矢野はずっと上の空で、覇気をなくしてしまった様子だった。
文化祭当日。
出し物を見て回る矢野と秋玻。
そして共同ステージの時間が近づいてきたが……。
「……いません」
「待機している人が……いません」