フォトグラファー《Mira Nedyalkova》による水中写真シリーズ「Underwater」。重力から解放され柔らかにゆらめく髪や衣服、音の遮断された幽暗な背景に浮かび上がる少女たちの白い肌、寓話の一部を切り取ったかのように美しく幻想的なポートレイト。
ベルギー奇想の系譜展 魔物が跳梁する15～17世紀の奇想画よりもそれ以降の神秘主義のデルヴィル、静寂と虚無が混在するクノップフ、シュールなヌジェ、詩的要素を絵画に定着させるデルヴォーなど幻想表現へと変化していくものに響くもの多し。＊館内の冷房極寒レベル（毛布の貸出あり）～9/24
ベルギー奇想の系譜展 様々な国に支配さた複雑な歴史背景をもつベルギー史の中での奇想画の位置付けを再帰的に検証。敬虔な信仰と冒涜心の二重性、日常的な枠組の中から創り出された異界。ボス以降の後継者が受けた影響(アイロニー)や創意世界(自意識の肥大化)の樹立を俯瞰する。いやぁ楽しかった
『人生はビギナーズ』劇中に雛菊の花束を差し出す手の写真が出てくる。主人公は少年期これを母に花を贈る自分の手だと思っていた。だが時間が経ち母亡き後に彼は解釈したこれは「素朴な幸せを貴方にあげたい」と願う母の手だと。母への想いは次作『20センチュリー～』へと連なる。写真はラングの作品
《Katharina Jung》若干22歳のドイツの写真家。夢の出来事の様に幻想的であり、霧の中の本質を見つめる冷たい空気感も漂わせる。彼女の家を取り巻く自然の風景を利用して美しい写真を撮り続けている。彼女にとって写真とは外界の現実であり内面を映す鏡でもあると語ります。
シアトルのJive Time Recordsによる落書きレコジャケ集。落書きの範疇を超えアート作品として昇華してるものもあってずっと見ていられる。描き込む事によって所有物としての愛着が湧くマーキング行為《海外版「汚レコード」の世界》https://t.co/Xs0s5URHK3
イキウメ『天の敵』@東京芸術劇場 自然の力学に逆らい神の領域に手を染めた男。永遠の若さ・永遠の健康とは…命の重さに比例する作品の重量感、物語を物語る確かな筆致に生の意味とその先にある深い所まで導かれる。哀切の中にゆっくりと身体に廻っていく毒物も含有したおぞましさに打ち震える。傑作
『夜明け告げるルーのうた』地方漁村での少年&人魚の友愛を基軸に、異種との共存、音楽愛、転生、伝承、忘れ得ぬ人への熱き想い、成長譚が怒濤の様に押し寄せる映画的官能（湯浅マジック）にしてやられる。外に出て行く者とその地にしっかと根を下ろす者への眼差しが暖かい。閉塞した内壁を突き破れ！
《Paul Chiappe》イギリスのアーティスト。昔のモノクロ写真を彷彿させる鉛筆で描かれた細密画。驚かされるのは作品がマッチ箱ほどの小さなサイズで描かれていること。ピントの甘さやフラッシュの白飛びが謎めきや不吉、畏怖を醸し出す。見る者の心の奥底につきまとう作品。
60年代半ばカルダンやクレージュがデザインしたスペースエイジなサングラス。この細い切れ込み北極圏に住むエスキモーが板や動物の皮で作った遮光器がモチーフ。裸眼では雪目になる雪原の眩しさを防ぐ為に考えられたスリットだったとは知らなんだ。デザインが突然生まれて来ることは無いとはこの事か