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乃亜「玄関先で重~~~い話をしてたね。おかげで中に入りそびれちゃった」
澪「まったく……。あの藤吾が、長年面倒を見てやった幼なじみより恋人を取るようになるとはな」
乃亜「あれ~、澪、もしかして寂しいの?」
澪「馬鹿言え。清々している」
藤吾「ふふ、また後ろ向きなことを言ってるって怒る? お説教なら部屋でたくさん聞くよ。それから、お祝いの言葉ももっと聞かせて? 誕生日が終わるまでの残り数時間、君の声をたくさん聞いて過ごしたいな」
藤吾「……俺は他人から恨まれて当然の人間だ。俺なんていない方が、その他大勢の人間の幸福に繋がるんだと思う。でも、そんな俺の誕生日を、君が祝福してくれると言うのなら……こんな俺でも生まれてよかったんだって、自信が持てそうだよ」
藤吾「はは、ごめん。君がお祝いしてくれたらいいなと思ってはいたんだけど……妄想が実現して驚いちゃった。スルーされたらショックだな、とも考えていたぐらいだったから……。ちゃんと誕生日を覚えていてくれて、安心したよ」
乃亜「……なんて話してたらアパートに着いたね」
澪「ん? 玄関の前にいるのは、あいつじゃないか?」
藤吾「!」
――ガチャッ
乃亜「あっ、藤吾!?」
澪「なんて瞬敏な動きをするんだ……」
藤吾「大丈夫、約束なんかしなくても彼女はお祝いしてくれるよ。だって俺の存在をこの世で一番慈しんでくれているのは彼女なんだから。ふふっ、どんなお祝いをしてくれるのか楽しみだなあ……」
乃亜「澪~、藤吾が気持ち悪いよぉ……」
澪「目を合わせるんじゃない。数時間に及ぶ惚気話が始まるぞ」
澪「ほう、事前にあいつとそんな約束をしていたのか?」
藤吾「ううん、特に何も。サプライズの予定だったら申し訳ないし、何より自分から『お祝いして』って頼むなんて、かっこ悪いだろう?」
乃亜「え、藤吾が勝手に期待してただけなの?」
藤吾「うん」
澪・乃亜「…………」
乃亜「藤吾、わかりやすく不機嫌だね? 眉間にシワ寄ってるよ~」
澪「お前にしては珍しい表情だな」
藤吾「……はあ……不機嫌にもなるよ。どうしてこんな時間まで仕事しなくちゃならないの? 今日は俺の誕生日なのに」
乃亜「藤吾、毎日楽しみにしてたもんね。彼女がお祝いしてくれるって」
由衣「次の月涙館レポートはセラ君の特集! ……の前に、藤吾君のお誕生日もあるね。わぁい、来月も盛りだくさんだ~♪」
華純「7月の月涙館レポートも楽しみにしていてくれ。それでは、また」