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「っ、…それじゃあ、またね」
いつまでもここにいると、名残惜しくて離れることができないと我に帰り、意を決して先に歩き出した管理人の後を追った。少女はもう見えない。
ニコニコ笑みを浮かべながら楽しそうにそう言うと、ある少年の背後へ歩いていき、ぽん、と軽く肩に手を置いた。
『向坂 蛍さん!ハッピーエンドです!』
肩に手を置かれた少年、「向坂 蛍」は目を瞬かせ、「…僕が?」と小さく呟いた。
「僕は会わなきゃいけない人がいる、
だから、僕は過去を受け入れるよ。嫌いな僕を……はは、まだちょっと怖いけどさ」
そう笑みを浮かべた彼を周りの人間は安心したように取り囲み「おめでとう」と口にするのだった
「長くなっちゃったかなぁ?それじゃあ、ばいばい。みんなだいすき!」
そう言って手を振った後管理人の近くに行き
「管理人さんごめんね?がっかり?楚夜音いっぱい謝っちゃう、管理人さんも大好きだから許して?」
夕食時、その日はやけに上機嫌だった楓が、管理人さんに声をかけられて、立ち上がります。
「ねぇねぇ、聞いてよ!俺ね、やっと『自由』になる方法を思いついたんだよ!」
そう言って、いつもは見せない満面の笑みを浮かべます。