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「変、ですね……だって、本当に…悪いこと、なんて…ッ」
「失恋したんだ。泣くに決まってんだろ」
「僕、と…リィ、ナは……そんな――」
「ンな関係じゃなくともッ!
……好きだったんだろうが」
「く、ぅ…ぅあ、ああ――ッ!」
(続)
「……記憶も戻ったって言ってました。全て元通りですよ。
これが物語ならまさに大団円、ハッピーエンドって奴です」
「あのな、ハッピーエンドって言うならよ……」
(続)
「それだ。その兄貴があの蒼いのとかどんな確率だよ。
"拾った女の子がライバルの妹"とか今時アニメや漫画でもそう見ねぇぞお前」
「事実は小説より奇なり、ってやつですかね」(苦笑)
(続)
「見つけたぞこのヤロウ。寝てなきゃ治んねぇだろ…っと」
隊長が、隣に座り込む。
「……帰っちまったなぁ」
「……良かったですね」「あ?」
「隊長の言う通り、リィナは攫われたわけじゃない。帰っただけなんです。
しかも迎えは、実のお兄さん。記憶を失ってなお心に残った、彼女の大切な人」
(続)
ある晩、医務室を抜け出した。
痛む身体を引きずって、あの子の部屋に行こうとして――
白い壁に、道を遮られた。
艦の壁とは明らかに違う、樹脂のような手触り。
訳が分からなくて、その場にへたり込んでしまった。
「補修用特殊硬化樹脂……要は穴埋め用のパテだよ」
後ろから、声が聞こえた
(続)
今は細胞活性剤や医療用ナノマシンのおかげで重傷も1、2週間で治るけど、流石に手術直後は動けなかった。
その間に隊長達や、艦の皆がお見舞いに来てくれた。
料理長も怪我は大したことが無かったそうで、早々に現場復帰して皆のご飯を作っているらしい。
その"皆"の中に、彼女はいなかった……
(続)
兄さんとは
「おかえり」「ただいま」
それで終わり。
顔も合わせず――合わせられず、ラシェルやダルタニア兄弟だけでなく、さっきまで泣いていたデュカスからすら心配されてしまう。
でも、どんな顔をして、他にどう言えば良いかわからなかった。
多分、兄さんも……
「……あ」
「?」
ふと、ラシェルが何かを思い出したように立ち止まる。
「申し訳ありません。大切なことを言い忘れておりました」
「大切な、こと?」
「はい。……お帰りなさいませ、リィナ様」
「ッ!……うん。ただ、いま」
嬉しいはずのその言葉に、何故か、素直に喜べない自分がいた……(続)