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もう、疑いようがない。目の前にいるのはリィナ。月面で喪われたはずの、私の妹だ。だが――
「生きて、いて…くれた……だが、何故――?」
あまりの事態に、頭が追いつかない。溢れ出た疑問符が、喜びを塗り潰してしまう。
何故助かった?何故ここに?何故――そんな表情を?(続)
見たことがないほどの恐怖と焦燥に覆われた、見慣れた顔。
聞き覚えのない名を必死に叫ぶ、耳に馴染んだ声。
この、少女は――
「リィナ、なのか……?」
呼びかけたその声に肩を震わせる。振り返り、こちらを呆然と見上げながら、少女は言葉を紡いだ。
「……兄、さん」(続)
「いやぁぁぁぁぁぁッ?!」
悲鳴を上げて、少女が走る。アルト+の機体を必死に伝い、傷付いた少年にしがみつくように叫ぶ。
「トオルッ?!やだ、しっかりしてッ!!」
「ぐ……ッ…!」
これは夢か?自分は幻を見ているのか?だがその顔が、声が、そして少年の叫んだ名が。その疑問を否定する。(続)
「リィナッ!離れてッ!!」
「――ッ?!?!」
咄嗟に、外部スピーカーで彼女に呼び掛け、左腕を強引に持ち上げる。
でも―—間に合わない。
次の瞬間、轟音と衝撃、そして激痛が身体を貫いた……(続)
「ごめんなさいッ!わたしが、わたしのせいでッ!」
「…う……」
すぐそばに、リィナがいた。
床に倒れ、意識を失っているらしい料理長に、何度も呼び掛けている。
何でこんなところに?そんな疑問は、一瞬とかからず消え失せる。
二人が、リィナが、危ない――ッ!(続)
「リィナちゃん待って、危ないよッ!」
艦の外縁通路で、料理長に手を掴まれる。
「離してくださいッ!わたし、行かないとッ!」
「行くってどこにッ?!第一、今は戦闘中だよッ!こんな外側じゃなく、食堂みたいな内側に――」
次の瞬間、轟音と共に壁が爆ぜた。
(続)
「帰りたい場所、守りたい者、か……
羨ましいな。それは、少し前に私が喪ったものだ」
「……ッ!?」
「だが、それでも私の心には果たすべき誓いが、貫ける信念が残っていると、諭してくれた者がいる……
その想いに応える為にも、私は、負けるわけにはいかんッ!!」(続)