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ルーカスを含む、他の面々も消耗している。
お互いに長期戦は悪手となれば。

(──強力な一撃で、一気に決めるしかない)

では、誰が行くべきか。
そう考えた時、ルーカスがアシュレイにこう告げた。

「一撃の威力がこの中で最も高いのはお前だ」
「……!」 https://t.co/ue94hSl7yG

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「アシュレイ、まだ動けるか」

戦いの最中、高速移動で【錆の王】を撹乱していたルーカスが側に立った。

「奴を見るにいずれ自壊すると思うが…、このまま逃してはくれないだろう」

その言葉に頷きで返す。
体組織の剥離はその様相を激しくしていたが、こちらも長くは保たない。 https://t.co/vN83MG92iQ

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「脚と、腕さえあれば良い……」

言い聞かせるように、言葉を紡ぐ。
顔を上げ、神鹿を睨みつける。

「これが最後だ……力を、貸してくれ……」

意思の無い“相棒”へと声をかける。
いつだって答えは無かった。
だが、応えてくれていた。

『ヴォイドアップ……!』

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(──不完全?)

思考の渦の中、その言葉に引っかかりを覚える。
間も無く、頭の中でピースが嵌まるような感覚。
きっと冷静であれば選ばないであろう選択。
だが、今はこれしか無いと思えた。

(出来る筈だ……)

確信を持って足を踏み出す。

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連戦に加え、ダメージの蓄積が著しい。
既に不完全な変身に留まっていた以上、完全に変身する事は不可能だろう。
だが、それでもその言葉を再度口にする。

「ヴォイ……ド……」

声を震わせながら右腕を伸ばす。
ここで終わる訳にはいかない。
不完全だとしても、やれる事は──

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──だが、彼我の力の差は歴然であった。

ルーカスを狙って振るわれた槍は、その余波ですら凄まじい圧を放っており、不完全な変身に留まっていたアシュレイは抵抗する間も無く弾き飛ばされる。

「ぐっ……あ……!」

気力を振り絞って立ち上がるが、既に変身は解けていた。 https://t.co/4bbtWifa69

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「……時間稼ぎくらいは、出来るよな」

そう呟き、【錆の王】に向き直る。
身体が震えているのは疲労の為だけではないだろう。
残った力で無理矢理それを抑え込むと、振り絞るようにその言葉を発した。

「──ヴォイド、アップ」 https://t.co/tdhb6g2gQj

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そしてアシュレイは一人残り、状況を再確認する。

最初に現れた異形にはパトリックとガーレンが当たっており、既に戦闘は佳境を迎えていた。

次に現れた赤錆色の巨体は、どこかそれに似通った姿へと“変身”したヘルトと、《ウル》の2人が対処している。

「俺に、出来る事──」 https://t.co/XerfwYxxLa

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「私はまだ余力があります。アシュレイ殿は──」

休んで、と告げようとするシルクは、不意に吹き抜けた“風”の違和感に気付く。
血、鉄、錆……それらを思わせる、不快な気配を孕んだ風。

そしてシルクは知る由も無いが、アシュレイはその風を“覚えて”いた。

「アイツは……!」 https://t.co/1qDuM8AaJm

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