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残暑厳しい中、畑を眺めながら近所を散歩していたら秋穣子と出会った。
「あ、丁度あなたのお家に行くところだったんですよ♪」
農家じゃない外来人の家に豊穣神が何の御用で?
「これ、作り過ぎちゃったんで御裾分け♡」
穣子様は背後に隠していた、レジ袋いっぱいのトウモロコシを差し出した。
夏の暑い中、秋静葉のお供で役所や農協、大店等々を巡り、ようやくカフェで一休みだ。
秋の神様ってシーズンオフは暇だと思ってた……。
「実りも紅葉も、綿密な準備あってなのよ。じゃないと過酷な冬は乗り切れないわ」
その前に、過酷な夏にめげそうです。
静葉様は微笑みアイスコーヒーを啜った。
道を歩いていると、ブロック塀に怪鳥の影がッッ!?
「あやや、失礼ですね~♪ 清く正しい射命丸を化け物と勘違いするなんて☆」
ひらりと舞い降りてきたのは、射命丸文だった。
「お盆明けでもまだ暑いですね~♡」
涼し気なナリをした文。
こちらは彼女のおかげで肝を冷やしたよ……。
真夏、熱帯夜の街を往く秘封倶楽部。
「こんなに月も紅いから――」
「本気で呑んだってか!? まったく……」
酔ったマエリベリー・ハーンは宇佐見蓮子にしなだれかかった。
「蓮子ぉ、抱っこして♡」
「はいはいお姫様――ふんっ!!」
蓮子は気合を入れてメリーをお姫様抱っこした。
クラウンピースは妖精とは思えぬ発育の良すぎる体を申し訳程度にビキニで隠し、ハイテンションに狂気を発散していた。
「きゃははは☆ お日様はあたいに負けず朝からルナティックタイムねっ♡ 泣かせちゃるッッ!!」
夏の日差しに松明と中指を掲げてお天道様に喧嘩を売る地獄の妖精であった。
命蓮寺の門弟が一人にして聖輦船船長、村紗水蜜。
彼女は今、真夏の猛暑を上回る地獄の業火に包まれていた――と見間違えるくらいに怒っていた。
「私のケーキを食べたの誰だ~ッッ!?」
キャプテンが手にした怒りの錨でオカマを掘られる前に、生クリームの付いたゴミを処分して遁走せねば。