長尾早苗さんのプロフィール画像

長尾早苗さんのイラストまとめ


詩人、文筆業。詩集『暦の中を吹く風と』『水脈の呼び声』『太陽の街』『フレア』七月堂、『聖者の行進』七月堂。文芸創作ほしのたね、詩誌ハルハトラム、詩誌La Vague。ご連絡はDMかメール [email protected] instagram.com/ibuki0219/
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先輩の上司と雑談する機会があった。ねえ真知子さん、がんばりすぎて、自分をがんじがらめにしてない?……図星。いつも仕事と他人のサポート、家族への家仕事、自分のやりたいこととたくさんのことが私を待ち受けていた。がんばらなくてええんよ。彼女が関西出身のママだということに改めて気づいた。

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今日もいい汗かいたわ、と今日子が戻ってきた。僕はフライパンでオムレツを作っているところで、彼女のスポーツタオルを受け取り、洗濯機に入れる。正道君もジョギング、やってみたら?気持ちいいわよと今日子。そうだねえ、いいかもねと僕。エプロンからスーツに着替えて、今日も二人で朝食をとろう。

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久しぶりに電車で出勤の日。在宅勤務が長かったからついぞ忘れていた。いつもより1時間早く起きて今日の夕食を作っていた。もちろん作り置き。夫と交代で作っていたけれど今日は夫からのメモが置かれていた。出勤だね、いつも君はがんばってるから、ちょっと肩の力抜いて。やさしさが私を包んでいく。

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ぼくは来年の大役を担わなければいけないわけだけどさ、居場所はどこにもないのさ。それだって、旅したいところはいくつもある。寅年が来る前にぼくはどこへ行こうかな。牛さんは今年の大役を担っているから大忙しで、なかなか旅に出られないらしい。よし、決めたぞ。今日もぼくはきみに会いに行くよ。

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僕は毎朝りんごを食べている。僕の中には1年で365個のりんごが体を作っているのだと思うと、ぼうっとする。果物と僕は切っても切り離せない。そうだ、昨日夢で、りんごに乗っている夢を見た。大きなりんごで、もしかしたら僕のりんご、全てかもしれない。今日も朝にりんごを食べる。毎朝のように。

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私には他の人に見えない妹がいる。おかっぱで、私に厳しく口を出す。「姉ちゃん今日もその服なん? 昨日もそのチョイスだったで」うるさいなあもう服のことで。「彼氏できひいんよ」う……言葉に詰まる。それでも、一人より妹と暮らしていたほうが楽しい。「春やねえ」見えない妹と手をつないでいる。

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口紅の減り方が遅いな、と昨日初めて思った。昨日はやっとの思いで仕事を終わらせて、彼氏に連絡をして会っていた。会いたかったなあと思う。わたしはこれからも仕事を続けていくし、恋も続いていくんだろう。わたしは今日も口紅を塗って、マスクをしてでかける。もっとみんなで笑顔でいられるために。

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猫と一緒に仕事をしているような気がする。僕のラップトップの周りには猫が何匹かいて、時々僕の仕事の様子を見に来る。「きちんとやっているかね」声がしたような気がして振り向くとそこには猫がいて、あぁあとあくびをしていた。「きちんとやっていますよ」と返す。さあ今日からもがんばっていこう。

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時々、僕は猫と話す。猫から教えられることだって、たくさんある。僕が今一番大切にするべきなのは、今日の僕を今日の僕として守ること。猫はその日その日を生きていて、生きるということでとってものんびり、ゆったりしている。僕も今日も家で過ごそう。一緒にいてくれてありがとうな、猫。おはよう。

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桜が今年も咲こうとしている。僕は、新社会人だった頃のことを思い出す。あの頃は仕事というものがわからなくて、でも自分が「何者か」になれたことがうれしくて入社式の時に喜び勇んでスーツとネクタイに着替えていったっけ。また今年も桜が咲く。僕と同じく、そわそわと新入社員が部屋に入ってくる。

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