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約十分後、従者の男の号令により皆、さらに別室にて配属先を決める旨が伝えられる。
……なぜかテレサを除いて
従者「テレサ・ブライトナー、お前には領主様から直々にお言葉があるそうだ!この部屋に残れ!」
こうして権力者である領主と二人っきりにされてしまう村娘のテレサ
そのまま、特に何の説明もなしに待機させられる村娘たち。感覚的に男がじろじろと舐め回すように眺めてくるのでいっそう居心地は悪い……が、言葉を発する事もできない。
(なぜなら、平民である村娘たちにとって貴族、しかもこのあたりをまとめる地方領主は、まるで雲の上の存在であるからだ。
彼女たちが浮足立つ理由はもう一つある。
自分たちの正面、少し離れた位置に、先ほどから一人の男が煙草をふかしながら座っている。照明の具合や直接顔を観察することも憚られるから絶対ではないが、おそらくあの人物が領主である「シュヴァイン・シュヴァンツ・キンダーマフ」…その人であろう。
広間は豪華な装飾品で埋め尽くされており、村娘たちは当然のように気後れしていた。
(なにせ、平民である彼女たちの一生ではお目にかかることもないような高そうな品がそこかしこに並べてあるのだから。もの一つとってもそれだけで村の一年分の税金になりそうなほどの価値がありそうに見える)
子供の頃、結婚しようと約束し見事その思いを成就させた二人だ。今度も、同じように乗り越えられる。
互いにそんな強い絆を育んでいた。
次の日、クルトは村の女達と一緒に妻を送り出すのだった。一年後の再会を強く胸に抱いて…
※とりあえずここまでで、追加シーン描きあがったら続きアップします
それは約束だった。遠い地で自分は見事、務めを果たして帰ってくる。
「そして、その時は今度こそ二人の子供を作りましょう♡私、きっと愛しい貴方の子供を産むわ、クルト」
そうすれば、一年は苦しいモノでなく、楽しみを待つものになると。クルトはその言葉に深く頷いた。
クルトは大きなため息をつく。
少し前にわかっていた事とは言え、これから約一年間も自分の愛しい妻に会えないこと。そして、しばらく遠い地で離れて暮らすことになる妻が事故や病気によって二度と会えない…なんてことにならないか?
色んな不安が彼を襲っていた。そんな彼に妻であるテレサがいう。
「領主奉公」とは…
「村ごとに収める税の支払いを減税するかわりに、村の若い娘たちに一定期間(大体一年)の奉仕(城主が住む城での仕事)をさせる」というものである。
この村はあまり裕福ではなく、ほんとんどが自分たちの暮らしで精いっぱいなのである。その為、この制度に頼るしかないのだ。
二人は幼馴染であり、幼いころから将来を誓い合っていた。やがてクルトが立派な青年、テレサが美しい女性へと成長することになっても、その思いは変わることがなく、二人はそれが当たり前であったように結婚し結ばれた。それから二年が経った現在…