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⑰これは何かの間違いだ…
そんな風に自体がうまく呑み込めないままにリィックは引き寄せられるように窓とカーテンのわずかな隙間に顔を寄せる。確かめたかった。これが、何かの勘違いなのだと…そして…
⑯中からは何故か「勇者の声」がした。
本来ならこの時間、勇者は宿屋にいるはずだと思っていたリィックの背筋には冷たいものが流れた。
どうして?なぜ?こんな時間帯にふたりっきりで?
そうしてわずかに漏れ聞こえる話を聞くに、なんと勇者は今夜「このままレイネの部屋に泊まる」のだという…
⑮そう思って5年前、夜こっそり会う時に使っていた窓際からの接触を試みようとする。
幸い、窓からは薄っすら蝋燭の灯が漏れていて、彼女がちゃんと部屋にいるらしいことは確認できた。
リィックは懐かしい記憶にどこかわくわくとしながら、以前もそうだったように軽く窓を三回叩こうとした。その時…
⑭その夜…長旅の疲れもあるだろうからと気を利かせた村長の一言でその日の宴会はお開きになったが、リィックは一度家に帰るとすぐにレイネの家を目指した。目的は「彼女と二人っきりで話すこと」
思えば帰ってきてからゆっくり話もできていなかったのだ。レイネの口からクリスとの関係を聞き出したい
⑬いったい、このクリスと名乗った男とレイネはどんな関係なのか…そんな嫉妬にも似た感情でリィックが彼の方を遠巻きにじろじろと観察していると、クリスはにこりと爽やかな笑みを返してきた。
その態度がリィックには男の余裕に感じられて、なんだか頭に血が上るのだった。(器の差を意識させられた
⑫原因はいうまでもなく、あのレイネと一緒に現れたイケメンの存在である。彼は「勇者パーティの仲間」だと自己紹介をしたが、リィックにはどこかそういう風には思えなかった。
なぜなら彼とレイネの距離はかなり近く、いっそ体に触れるような場所にいるのにそれを全然嫌がっていない様子だからだ。
⑪そして、その様子を遠巻きに眺めるリィック。本来ならあの中に混ざって少しでもレイネとしゃべっていたいはずなのに、その気持ちはどこか浮ついていた。
⑩英雄として凱旋したレイネ、村人たちはその無事と成し遂げた偉業を大いに祝った。一方のレイネは、最初この5年間のギャップに戸惑っているようだったが、生まれてからずっと過ごした村人たちの変わらない暖かさに次第にその緊張もほぐれていったようだった。
⑨5年間、待ち続けてやっと帰ってきた彼女は………
何故か「彼の知らない男」を連れて帰京したのである(; ・`д・´)