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すぐにラシャドに懇願するように治療を依頼する父とそれを承諾するラシャド。一方の当事者である所のフィオは現状すら把握していない。
当然ながら彼女は彼らに説明を求めた。
父はさっそくラシャドにフィオの診察を求めるが、ラシャドはそれを片手で制し、「すでに『見た』」と口にする。そして、続けざまにこういった。
「これは『魔法●し』だ」と
その言葉に父の表情が曇る。一方のフィオは聞きなれない単語に首をかしげる。
魔法協会から派遣されてきた特A級魔法師の肩書を持つらしいその男は名を「ラシャド・ゼン・フィス」と名乗る。体格からして研究職というより、実践派寄りの魔法師に見えるその男に、フィオは言い知れぬ不信感を覚えた。
いつも優しい父はこの時ばかりは厳格な……魔法使いの名家である当主の表情をしており、その言葉はどこか重たい空気を放っていた。現状がとにかく切迫している証拠だ。
父はまず、『応接間』にて一人の男を紹介した。
そんな存在がどうして生きていて、こんな宿屋に奇襲を仕掛けてきたのか?困惑するフィオに魔族の女は、くすくすと笑いながら告げる。
「私を●したお前……だからお前も同じように痛みを味わってくれよ!」
瞬間、魔族の目が赤く光り、肉体に見たこともない力の奔流が溢れる……これは魔法?
特にフィオはその目の前の魔族に心当たりがあった。なぜなら、以前A級のフィオ宛に送られたクエストで討伐を行った存在だったからだ。その魔族は確かにフィオの上級氷魔法にて、完全にその根源を砕いた=滅ぼしたはずだったのだ。
魔族……人類に害を与える魔物、その魔物が知性を持った存在。それらは例外なく、B級以上(ハイランク)の冒険者によって討伐の対象になりうる危険な存在…