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Girl in the Mirror
どんな鏡にも映るものの逆しか見えない
―アンリ・ド・レニエ「奇妙な晩餐会」
いっそ鏡をたたきこわして、鏡の自分とほんとうの自分を一つにしてしまいたい
―アナイス・ニン「ガラスの鐘の下で」
photo:©Arachne,©Anastasia Sherman,©Sarachmet,©Francesca Woodman
水に触れる。
草のわだちにみちびかれ、わたしは水に出逢う、
指の間から逃げ去ってゆく
孤独のように透明な水。
──シルヴィア・プラス「嵐が丘」
photo:©Sabina Tabakovic,©Aëla Labbé,©Nishe,©Agnieszka Teska
The last mermaid
もうわたしは朝の光だ聞こえない人魚の歌が窓辺にさわぐ
──佐藤弓生『眼鏡屋は夕ぐれのため』
photo:©Elena Kalis,©Mira Nedyalkova,©Slevin Aaron,©Ekaterina Belinskaya
彼女たちの秘められた生。
魂をもつこと、それは秘密をもつことである。
導かれる帰結。魂をもつ者はわずかである。
──パスカル・キニャール
photo:©Laura Makabresku,©Holger Nitschke,©Högabo Photography,©Crystal Lee Lucas
指と指のあひだにあはく死を透かしアポトーシスは夜明けの単語
―飯田彩乃『リヴァーサイド
骨くらい折っていいのにその指で本の頁を捲る手つきで
―二階堂奥歯
シロツメクサの花輪を解いた指先でいつかあなたの瞼を閉ざす
―堂園昌彦
photo:©Laura Makabresku
なにもかも疲れはてていた。上を向くと、星までが疲れているようにみえた。彼は思った。存在しているものすべてに、たったひとつでいいから、例外がゆるされればいい、たとえば、延期とか、忘却といったような。
──アントニオ・タブッキ『遠い水平線』
photo:©Christian Schloe