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なにが おもいの うみのすなと かなしみ
なにが みじかいの きょうと あした
なにが もろいの はるのなはと わかさ
なにが ふかいの おおきなうみと しんじつ
クリスティーナ・ロセッティ 安藤幸江訳『シング・ソング童謡集』
薔薇は降る、
青白い薔薇は降る、
ほのかに淡青(うすあを)い生絹(すずし)をはりつめた空
けむる空
碧玉(さふあいあ)の燻ぼれる空より
はらはらと、かつさめざめと
明るく翳る光の中(うち)。
―西條八十「薔薇」より
ジェシー・ウィルコックス・スミスの絵も大好き。読めないけど洋書のイラスト集も買ったな。画像は①不思議の国のアリス、②子どもの詩の園、③ハイジ、④しらゆきべきばら。
碧き夜なりき、
籠を逃れて地獄にくだる
寂しき鸚鵡よ、鏽びし鉄扉(かなど)に
朱の紐ながく残れる。
―西條八十「鸚鵡」より
絵:Park Jung Eun(Gobugi)「Consolation」
わたしは胸が裂けるのを感じていた。何かをしなければ、この眩暈を止めなければ、この無意味な死を。
―ジュリアン・グラック『陰鬱な美青年』より
写真:Ben Zank
まぼろしを霧と呼びならわして
世を渡る人々の吃水
霧の海にはねずみがおびただしく殖える
この世からあの世へと跳び疲れた蝶が一羽
とまるべき岸辺をさがしている
―多田智満子「木枯らし」より
写真:Denis Olivier
幽霊はこわくない。肉体をもつというだけの理由で、生者はおそろしい。
―ユルスナール 多田智満子 訳『火』より
写真:ジュリア・マーガレット・キャメロン「Florence Anson」
月光のもと、ダイヤモンドのプリズムにきらめく少女の髪。私たちの世界の死を見つめている死んだ月の眼。
―アンナ・カヴァン 山田和子 訳『氷』より
絵:Mark Demsteader「Moorland Ⅲ」
羽根に覆われたようなしだれた黒い枝の下、ダイヤモンドの星をちりばめた水面は秘密の世界の天井で、垂れ下がる星座はシャンデリアだ。
―アンナ・カヴァン『愛の渇き』より
絵:レオノール・フィニ「オフィーリア」