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顔を上げると、ワカバが腕と脚でシャケの口が閉じない様に持ち堪えていた。
「うぐぐ…!」
「ワカバ!!」
ヒイロが呼びかけると、大丈夫だと視線で返すワカバ。
腕に力を込め、モグラの口を大きく開く。
「あれって…大砲か?」
「そうだ。シャケバイトの大砲よろしく、球はインクだ。みんなに配った武器と同じように、当てればあいつらを元の世界へと返す事ができる」
「これどうしたの?」
ヒイロがそう問いかけると、シグレはメガネを外し、何故かサングラスをスチャリとかけた。
「アオイさん!?」「それにカイまで…」
「ここに金ピカなイクラを抱えたシャケがいるでしょ?」
「ちょっとまってください、そいつどこから連れてきたんですか?」
「さっきそこで捕まえてきた」
「わぁ」
#潮騒の宴・サーモン乱
「まず、このバイトでは突然変異をした鮭…シャケを倒してもらいます」
普通の鮭と違ってフライパンとかおたまとかを武器に殴ってくるので気を付けてください、と説明していると。
「ちょっと!大事な事、忘れてない?」
「こっからはオイラ達も説明に入るぜ!」
…今回のバイトの話をしたら、物凄い形相で何かを話していたのを見て戦慄したのは内緒の話である。
思わずワカバにしがみ付いたくらいには怖かったです、はい。
目を覚ましたことに気が付くと、青い髪を揺らしながら近寄り、起き上がるシグレの背中を支えながら声をかける和装の少年。
周りを見ると、洞窟の中だろうか。水面を光が反射してこの場所全体を青く照らすその光景は、どこか神秘的な雰囲気を感じる。
ヒイロの視線の先には、テルコに散々着せ替えさせられげんなりしている様子のワカバとサンゴ。
ワカバに至ってはどこかデジャブを感じるのは気のせいだろうか。
ここに来たらいつもの事か。