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神流さんのイラストまとめ


神流(かんな)と申します。とっくの昔に成人した紅茶狂。同人要素満載アカウントですのでご注意ください。 チキンです…無言フォロー申し訳ございません。pkmn:ミナマツ推し

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降り注ぐ雨に両手を伸ばし、恵みの雨と微笑む彼と、このまま消えてしまえたらいいのにと呟いて、灰色の水たまりの上で立ち尽くす僕。
「あがればきっと、君の好きな虹が出るさ」
早く帰ろうと差し出される右手は今日も美しい。
そのあたたかさに触れたくて、僕は人差し指をそっと絡めた。

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還っていく御霊を送る間、ミナキくんは立ち上る線香の煙を辿るように空を見上げた。
「私もいつか君に送られる日が来るのだろうか」
切なげに細められた瞳には気付かないふりをして、無防備な唇に口付けると、彼はうっとりと目を閉じた。
この心臓の音が聞こえるかい、僕らは今ここで生きてるよ。

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手のひらを差し出すと、落ちてくる雨粒はやがてさらさらと降り注ぎ、僕らはたちまち濡れ鼠。
「…かなわないな」
セットされた髪を乱した彼は、手袋をしたまま髪を撫で付けて僕を振り返り、困ったように笑ってみせた。色めいた仕草に唾を飲み込んで視線を逃すと、彼は僕の耳元に早く帰ろうと囁いた。

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ジムの裏手で煙草を燻らす深夜。
気配を悟られることなく傍へやってきた彼は、僕のポケットから慣れた手つきで煙草をひったくり一本咥えると、僕の煙草から火を移して煙を吐き出した。
「いつものと違うな。彼氏のお土産か?」
恋人が異国で見つけた銘柄を言い当てる彼に、僕はただ舌打ちを返した。

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よく冷えたラムネの栓をあけると、勢い良く溢れる泡。今、僕も何かの衝撃を与えられれば、せき止めていた彼への言葉を吐き出せるのに。
なんとも形容しがたい味の炭酸水を口に含むと、傾けた瓶の中に囚われたビー玉がひとつ鳴る。
「いつまでもこれじゃ、ね」
まずは来週の祭に彼を誘ってみようか。

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情事の後は決まって銘柄の違う煙草をお互い咥えるか、言葉を交わさず寝付くことが多いが、今日のマツバは珍しく俺の腕におさまって胸に頬を寄せている。
来週も同じ時間に会おうと告げると、奴は俺に小指を差し出した。
「約束、ね」
交わした指切りを最後に、マツバはうっとりと目を閉じた。

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転がされたベッドの上で、普段よりも時間をかけた前戯を施され、シーツを逆手に握りしめていると、マチスは満足そうに笑って僕に覆い被さった。息を整えながら彼の頬を撫で、そのまま汗の伝う逞しい首筋を人差し指でなぞり、暫く無言で見つめ合う。
「きて、」
吐息交じりに誘い込めば、僕の勝ち。

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手袋をした指先がついと顎を上向かせる瞬間に少しだけ息を詰めて、唇をうすくひらく。水晶の瞳の中に僕の姿が映っているのを焦点が合わなくなるまで見つめていると、彼は笑って目を細めた。
「キスの前くらい目を閉じたまえ」
「君こそいつまで見ているつもりだい」
「君が瞳を伏せるまでだぜ」

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深夜の港町で出会った美しい御仁を一夜の逢瀬に誘うと、彼は「僕に勝てたら」と笑みを深めた。下心が勝って連れと二人がかりで挑むと、背後から大男が現れて、ダブルバトルに変更だと一方的に告げた。
「…出直しておいで」
結果は惨敗。妖艶に微笑む彼は大男に腰を抱かれ、夜の街へ消えていった。

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僕らを取り囲む黒服の群れ。この古都の占拠に三下を寄越すとは見くびられたものだ。
「姫を守るのは騎士の役目だぜ!」
マントを翻しボールを構えるミナキくんの声に応えるように、僕の影から現れたゲンガーは不敵な笑い声をあげて相手を威嚇した。
「僕の手を煩わせないでおくれよ、二人とも?」

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