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神流さんのイラストまとめ


神流(かんな)と申します。とっくの昔に成人した紅茶狂。同人要素満載アカウントですのでご注意ください。 チキンです…無言フォロー申し訳ございません。pkmn:ミナマツ推し

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新しい飼い猫は私の部屋のソファに悠々と腰掛けて、金の毛を弄り、そろそろおやつの時間だねえと呟いた。
「ねえ、子供探しなんかやめて、この組織の行く末でも見てみようか?」
底深い紫の瞳を彼方に向けて呟く男を黙らせるべく、強引に口付けると、奴は憎らしく微笑んで自ら舌を絡めてみせた。

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窓辺に出した椅子に腰掛けて片肘を窓枠にかけ、遠くを見つめたまま過ごすこと一時間。
「ねえ、もういい?」
すまない、もう少しだけと謝る彼に頷いて、横目で彼を盗み見ると、その視線はキャンバスと僕をいったりきたり。君の手で描かれるならいっそ、その額縁の中に閉じ込めてほしい、なんて。

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石段を下りた拍子に、履き慣れた下駄の片方の鼻緒が切れ、からりころりと音を立てて落ちて行くのを追っていくと、その先には汚れるのも厭わずに下駄を拾い上げる手袋をした右手。
「さあ御御足を、シンデレラ」
「鼻緒切れて履けないよ」
「ガラスの靴を用意して出直すぜ」
「ひとまずおぶって」

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レトロな映画館の硬めのシートに隣り合って座り、今ではイタコさんたちと歳の変わらない大女優の青春時代に撮られた映画を二人で見る。ラストシーンで手を取る二人を見ながら、自然と重ねてしまった手を引こうとすると、そのまま腕を引かれて口付けられる。こっちの方がよっぽど映画みたいだよ。

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故郷のデパートから外れた路地にある古びた馴染みの仕立て屋。大きな鏡に向かい両腕を上げて採寸を受けている彼はぎこちなく笑ってみせた。
「やっぱりいいよ…似合わないし」
「似合わせるのがプロというものだぜ」
無頓着な彼に代わってパンツは細身にと注文をつけると、店主は恭しく頷いた。

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ミナキくんと傘を差して歩く途中、馴染みの茶屋の前で、傘を忘れたらしい女性が軒下で空へ手を差し出しているのが見えた。僕が駆け寄って傘を差し出す前に、白い手袋をした手が彼女に傘を差し出す。
「心配ない。私は彼と帰るから」
振り返った彼に相合傘を宣言され、僕は気恥ずかしさに顔を背けた。

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栗色の髪を梳き、セットされた彼の髪が指の隙間から溢れていく瞬間が、僕は好きだ。外れた蝶ネクタイと、少し伸びた髪が頬にかかった様が色めいていて、昼間にも関わらず妙な気分にさせるのだから敵わない。
「とりあえず、キスでもどうだい?」
疑問符を浮かべながらも、応えてくれる君が好きだよ。

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ただいまのキスを華麗にかわされ、立ち尽くす私の蝶ネクタイに人差し指を引っ掛けて弄び、マツバは私の生殺与奪権を握った。
「外してほしい?」
無言で頷くと、彼は笑みを深めて、だめと一言告げて背を向ける。負けじと後ろから抱きしめて、このまま触れて良いか尋ねると、彼はとたんに吹き出した。

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時折触れる手の甲同士に焦れた私の左手が、君の右手を捕まえるまで、あと数センチ。指先に狙いを定めて握り込むと、マツバは少し驚いた顔をしたけれど、すぐに眠そうな瞳に戻って「見られたねえ」と呟いた。
眼前には太々しく首を傾げるムックルが一匹。繋いだこの手をつつくとは、憎らしいやつめ。

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私の目の前に座って、無言で此方を見つめているのは恋人と瓜二つの狐。容姿は細部までそっくりだが、時折首を傾げて微笑む彼は喋らない。キスでもしたら、君の声を聞くことができるのだろうか。
「…ほら、目を閉じたまえ」
意味を解していない無垢な唇に口付けると、彼は私の名を愛しげに口にした。

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