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予備校生の頃に読んだアインシュタインの言葉に「科学の全体は、日常的な思考の精錬に他ならない」というのがある。当時、これを勝手に改変し「あらゆる芸術は、日常の延長に他ならない」と解釈していた。分野の部分に、自分の取り組んでいることを当てはめて見ると、意味が通じて面白いことがある。
解剖学では、細かく調査すればするほど標準構造が失われ、個体差が強く現れる。詳細になれば明らかになるどころか、言い切れなくなることもしばしば。人体は、その都度その都度、状況に対応している。
学問の効用は知識を増やすことではなく、体験後に当人の内で起こる認識の変化のことである。能動的な体験を通して得られるものは言語で教えることができず、また記憶に残る。
ジュリアンの素描教本。モチーフは、当時人気のあった油彩画などの一部を模写したもの。ストロークなどにジュリアンの解釈が含まれる。筆致を目で追うことで、形が把握できるようになっている。
上肢や下肢の筋は、それらを覆う比較的厚みのある深筋膜によって形状が維持されている。筋を骨から取り外し、表裏や筋束間の筋膜を完全に除去すると、筋腹は重力の影響によってわずかに潰れ、平たく広がるのが観察できる。
環椎(第1頸椎)と軸椎(第2頸椎)の運動図。解剖図には、主に写実画と、解説を容易にするために情報量を絞ったシェーマ(概念図)がある。運動図など写実画では情報量が多くなる場合に用いられることが多い。解剖学におけるシェーマは、20世紀前半のドイツ系の解剖学書で発展したようだ。
腰椎と仙骨諸要素の分解図(後面)。仙骨は、通常5つの仙椎が癒合した骨。仙椎の形態は、上方に位置する腰椎に近い。青:棘突起=正中線骨稜。赤:関節突起=中間仙骨稜。黄:副突起(横突起)=外側仙骨稜。形の成り立ちを知ると、形が生き生きして見える。