茅野カヤ Kayano Kayaさんのプロフィール画像

茅野カヤ Kayano Kayaさんのイラストまとめ


夢とうつつのあわいに在るかもしれない情景やサーカスを描きます。Rabbit Painter. 
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【March hare sings】

今は蛹化の時と
なぐさめ
眠ることを一番の重きとし

小さく本を読み
気まぐれに音楽を聴き
映画を上の空で観る

わたしのやしない
あなたは何を糧とする?
口に合うものを頬張ればいい
嘆きを歌にしてもいい
詩篇の多くは嘆きからはじまっている

詩:石川葉()

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【March hare sings】

ほころぶ
花弁を
撒く

可憐と名付けてくれた人がなくなり
わたしは淡くなった

泣いて目をさますと
鮮やかな花弁がひとひら散っている
夢に現れたのだと知り
思い出そうとするけれど、その人は朧で
ますますわたしは淡くなる
ずっと靄の春に生きている

詩:石川葉()

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【March hare sings】

ミラー、ミラー
この世で一番美しいものを見せて

宇宙を見る人も
思い人を見る人も
自分を見る人も
映し出されるものは多様であること

私は十字架を見る
罪の極みのゆえに
それがしるしだと信じるから

ミラー、ミラー
それはその身に収まるものか

詩:石川葉()

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【March hare sings】

冬に親しみたいと思っている
いつか
生まれ故郷に戻りたいと思っている

ここでしか書けないものもあるけれど
そこでしか書けないものも確かにあって

遠くから吹き降りてくる
雪を撫ぜた風の冷たさを
いつも
懐かしく思い出す

詩:石川葉()

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【March hare sings】

昼に彷徨う
空にはオニキスが浮かんでいる
ちょうど切られた爪の形をしている

昼の月は迷い星と呼ばれていて
目当てとすることができない

それで、今も彷徨っている
太陽を失ってから、ずっと

詩:石川葉()

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