茅野カヤ Kayano Kayaさんのプロフィール画像

茅野カヤ Kayano Kayaさんのイラストまとめ


夢とうつつのあわいに在るかもしれない情景やサーカスを描きます。Rabbit Painter. 
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【March hare sings】

小夜蛍
昼に森の中で暗い明滅をする
インクファイヤーフライ
こぼれた灯りで物語を書くと
妖精が読みに来るという

詩:石川葉()

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【March hare sings】
その森は鳥の翼と呼ばれる
木々のそよぎ方がしなやかで
羽毛のように見えるからだ

大きな鳥が羽ばたく
羽根の一枚が舞い、地に刺さると
それは樹木になった

詩:石川葉()

2 11

【March hare sings】
捲きあがるスカートが
自由だった

咎められず
凝視されず

はためかせているのが
自由だった

時々、そういう場所へ出かける
遠くに釣り人を見る
日差しを右手で避け
ただ、風に吹かれて立っている

詩:石川葉()

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縦長サムネになったと聞いたので気に入っている絵を。

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『étéーエテー』初日お越しくださった方ありがとうございました!
明日も在廊しますが、帰宅時間は未定です。(早めに退散するかもしれません)
皆様どうぞご無理のない範囲でよろしくお願いいたします。
https://t.co/vuoWaqulC5

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【March hare sings】
花になりきると
嬉しいでいっぱいになる
だから単純というわけではなくて
嬉しいの機微が
人よりずっと細やかだ

太陽の嬉しい
影になり嬉しい
雨の嬉しい

摘まれると
何かが空に放たれる
嬉しさがそれとともにゆく

その行方をいつか知りたいと願う

詩:石川葉()

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【March hare sings】

悲しい箱を持っているの
つまり心に穴が空いているの

詩:石川葉()

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【March hare sings】
私の影
リコリスガール
私の友達

影と遊べるのは子どもの時ばかりではないわ
今もよ
手を差し伸べれば立ち上がる
ダンスなんか私よりもうまいのよ

夜、眠る時
お祈りの後で横たわれば
ぴったりと寄り添う
影は
おやすみの声を待っているのよ

詩:石川葉()

2 6

【March hare sings】
草原が
ざざざざざざざざざざざ
とゆくとき
風が
兎になりきっているのです
ジグザグに走る真似を
楽しんでいるのです

詩:石川葉()

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【March hare sings】
霊を分ける
指先から咲く物語に
いってらっしゃい、と声をかける

双子に霊が宿るなら
複写に霊も宿るでしょう

同じ本でも
愛され方が違えば
性格は異なり

おおむね一斉に咲くけれど
誰かの特別になれば
驚く個性を得るのです

詩:石川葉()

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