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【数学史と教育】
厳しいことをいいますが「数学史」を証拠(出典)に基づかず,また進歩史観として記述するのは,何も数学者だけのお家芸ではありません.より問題なのは「教育学者」という肩書きの方が書く「数学史」です(※当然,例外はあると思うのですが,その例外を私が知らないとうことです).
RT先では,私が疑問を呈したルーカーヌスが歌う小カトーの南への進軍について,詳細に検討してくださっています.古代ローマ人の地理観に関心がある方も,そしてない方も必読でございます. https://t.co/cFZXIaxpxm
ルカヌス『内乱』9巻では,アフリカを進軍する小カトー一行が大地が球であることから次のように語ります.――
我々が向う先は対極の地…我がローマは踏みしめる足下の対蹠地にあるであろう.[大西英文訳]
――
ローマが足下にあるというのですが,これは流石に盛り過ぎで,そこまでは南下していません😂
ヘリコプターは「ヘリクス/ἕλιξ」と「プテロン/πτερόν」の合成語なので「タケコプター」という造語はその区切り方がおかしいというのはしばしば話題になりますが,古代ギリシャにタケコプターがあったのはあまり知られていません.
こちらが古典期アテナイの壺絵に描かれた最古のタケコプターです😂
プルタルコスは「宇宙の色は紺であり紫よりも暗いが光り輝いている(879D)」としますので古代人の想定する宇宙の色は夜空に近いのでしょうが,中世になると基本的に宇宙は明るいのです.闇は天体の影として生じるだけで宇宙には眩い光が満ちていたのです.現在,宇宙の平均的な色はベージュのようですが.
「出る杭は打たれる」という諺があります.
日本では頭角を現わす者を打つのは人間ですが,ギリシャで出る杭を撃つのは神様なので ただでは済みません😂
ヘロドトス『歴史』第7巻10
「神は他に抜きん出たものは ことごとくこれを貶め給うのが習いでございます(松平千秋 訳)」
ペルセウスがアンドロメダを救出する場面.ペルセウスは空飛ぶサンダルで移動するのでペガソスに乗るのは古代にはない描写.近世の人が我々以上に古代の文献を知っていた可能性はないので これは改変といえそう.壺絵の文字はEがꓭ,ΣがMになっており右から左に鏡文字風に書かれてあるのは不思議ですね.
「私は昨日 蕎麦屋で蕎麦を食べた」という出来事を歴史的事実として扱うにはどうしたら良いのか?
①本人の記憶
②目撃者の証言
③領収書(文字史料)
④食べ残し(考古学的証拠)など
いくら証拠を集めても,タイムマシーンで確認しなければ「本当のこと」は分かりません.
ヘロドトスが平たい顔族の風俗を調査していると仮定します.彼らが視力をよくするためにブルーベリーを食べ,時には煎じて飲むという風習に出会います.ヘロドトスはきっと「この部族はブルーベリーを視力改善に食べている」と書いたはずです.もちろん科学的効果の程はヘロドトスには分からない.