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「っ…えっぐ…私は…私はぁ…」
彼女はしがみつきながら泣いていた
…何も答えることは出来ず
ただ抱き締める事しか出来なかった
きっと彼女の心の整理がつくには
長い時間が必要になるだろう
落ち着いたらゆっくり話そう
今の僕が感じてきた物事を
今まであった出来事を…
「僕はそんな君の事も愛している 他の仲間達の事も 親友の事も愛している ソコに一番も二番も…勝ちも負けも無いんだ…僕は本物の彼じゃないが 君の事も君の想いも…僕が彼の変わりに受け止めよう 例え…ソレがただの僕の傲慢であろうとも…ね…」
その言葉を伝えると
黒い花びらの嵐はゆっくり収まる
それは愛した人が死んだと
愛した人がもう居ないんだと
気づいたが故の叫び
例え全く同じものを産み出しても
ソレが本当に同じではない
ランティスの記憶という台本を元に
彼を演じてたのにも関わらず
僕という自我が産まれたことによる
致命的な問題点が彼女の永遠を壊し
真実を突きつけた
それは彼女の想いへの嘘になる
たとえ記録を持っていようとも
死者の変わりに自分の想像を言うなど
あってはならない
ソレが愛してくれた人なら尚の事だ
だから違うとも…そうだという事も…
断ることすら出来ない
レティアが声にならない声で叫び
彼女を中心に黒い花びらが舞い上がる
「だから…いくらやろうとも…ぼくは彼の答えを知らない 僕が想いを受け止められても【ランティスを愛した レイカ以外の人には答えが出せない】んだよ」
その言葉に彼女は絶句し
そのまま崩れるように座り込む
無理もない
何万年も求めた回答など
そもそも存在しない
だが嘘をつく訳にはいかない
「何故!!何故ソコまで分かって貴方は!!私に答えてくれないのですか!!」
彼女が怒りの感情を露にする
がランティスは怯まない
「それは君の書いた物語に致命的な問題点があったからだよ」
彼女とフランの想いの原点は
非常に似ていた
しかし、ソコには
超えられない壁があった
「問題点…?」
彼女の唇が震えている
恐怖ではない
これは敗北への怒りであり同時に
狂気なのだろう
その歪んだ勝利への執着心
レイカが死して尚
遠い昔の戦いを彼女は繰り返している
これが彼女の【嫉妬】
永遠に未来へ進むことの出来ない
彼女をしばる鎖
彼女の胸の奥で黒いものが輝く