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「普通ならレイカの記録を消す筈なのにあえて残して 逆に自分を消したのも 説明がつく…君が【レイカに勝ちたかった】からだ 理想の女性を演じ レイカの記録を超え 君が言ったように僕が君だけを選べば 君はレイカを超えられるとそう考えた 本当の意味で一番になるために…違うかな?」
「君は…髪を黒く染め 話し方もレイカの模倣をし ありとあらゆる理想の女性像をひたすらに突き詰めていった 完璧な女性を【演じる】事にしたんだろ? そして、ランティスの記録を元に僕を【創造した】んだ ただ、その際に今までの君の記録があれば君は君以外の誰かになることは出来ない 」
「仮説…ですか?どのような?」
彼女はランティスに問う
「単刀直入に言おう…君は【レイカになろうとしたのではないか?】」
「ッ!!」
ランティスの言葉に彼女は息を飲む
手応えがあった
彼女が何故ソレをと言わん限りの目で
ランティスを見る
彼女が静かに頷き
「全て…取り戻したのですね…」と呟く
「ああ…それにレイカの記録とも話した 君が中佐だという仮説も確信に変わった でもさっきまでの僕にはどうしても分からない事があった それは 記憶の中の君と目の前の君がまるで別人と言うことだ だが、君の告白で1つの仮説に確信ができた」
彼女の反応で確信する
僕が本物のランティスと違うことを
レティアは【知っていた】
つまり…演じてると承知の上で
彼女は延長戦をしている事になる
ただ…レイカを越えたいが為に…
「そして僕は君の望む完璧な彼にはなれないんだ…【ヴィルマ・ワーマン中佐】…君は…全て知っていたんだね?」
レティアが震えながら口を閉じる
「そっか…」
そう言うとランティスは
左手で眼帯を外す
「答えの前に僕の話しも聞いて欲しい…いいかな?」
レティアが無言で頷く
「本当の僕はね…きっと君が愛したランティスとは別なヒトなんだ」
レティアはその言葉に驚く様子はなく
ただ目を閉じていた
ランティスとレティアは
夜景の方を向いている
「話したい事があるんだろ?」
静かに真剣な声でレティアに問う
普段の役者ぶった話し方は
ソコには無かった
「はい…ご主人様…」
レティアも普段のような
余裕のある微笑みはない
「大丈夫…遠慮せず君の想いを話しておくれ…」
離れる二人を見送ると
アテナがフランに話しかけた
「フラン…あんた…」
フランシスカはアテナに笑顔を見せる
「…大丈夫デス …目があったとき あの人がワタシを助けてくれた時と同じ感じがしましタ あの人は…きっとレティアサンを助けたいんですヨ」
フランの声は震えていた
ずっと目的のために忙しく
しっかりと向かい合って話せていなかった
レティアはただ
「はい」と返事をした
ランティスがフランの方をすこし見ると目が合う
彼女は覚悟を決めたように静かに瞳を閉じ頷く
ソレを見るとランティスはレティアをエスコートし離れていく
フランの拳がぎゅっと握られる
答えを出さない
つまり同時に
彼女の未来を閉じてしまったのだ
信じて先に進まず止まった時の中で
彼女を置いて未来に進もうとした
彼を許せないのも当然だろう
「レティア…」
静かに彼女を見据える
彼女は何かを言いたそうだ
「綺麗な夜景だ …久しぶりに二人きりで少し話さないか?」