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『いますぐ抱きしめたい』
どうしようもないチンピラに惹かれていく女。可愛い子分の尻拭いに奔走するうち男と女はすれ違うが…。A・ラウとM・チャンの初々しさ。荒々しくもロマンティックに描かれた刹那の青春。王家衛デビュー作。洗練前夜の映像にのみ表れるエッセンス。
映画化希望
鈴木いずみ『女と女の世の中』
いずみは86年に娘の眠る横で自死した小説家。夫は伝説のサックスプレーヤー阿部薫。この短編小説は、男が特殊居住区にしか存在しなくなった近未来の、ある女子の日常を描いたSFだ。女が男にとって腫れ物となりつつある今、速度の作家の先見の明をぜひ映像に。
『愛のコリーダ』
吉蔵との愛欲にまみれた定の”愛”とは、嫉妬・自己愛・現実逃避の化身だが、これが吉蔵への愛でないと言い切ることもまた不可能だ。愛という言葉は幻想であっても肉体は確かに触れられる現実。貪りたい欲望が生命の火を燃やす。作り手は人生を賭した。表現の自由を求めた裁判記録も。
『愛の昼下がり』
道行く美女たちとの恋を想像する妻子持ちの男。ドライな夫婦関係、仕事は順調だ。妻は夫が若い女の裸体を目撃しても嫉妬さえしない。男は昔の知り合いである強引なクロエに思いがけず惹かれていく。欲しがる女、気取られない妻、翻弄される男。わざわざ一度見失う愛。E・ロメール。
『zoo』
動物学者の双生児が事故で同時に妻を失う。同乗の女は片足を切断。妻達の死を機に兄弟は生物が朽ちる様を記録することに没入。双子を孕んだ女は左右対称に執着する医師に残る足を切断され…。シンメトリーへの拘泥。分裂と死と再生。美の概念を転覆させるグロテスクの極致。P・グリーナウェイ
『モレク神』
ソクーロフ権力4部作第1弾。生身のヒトラーこんなんだったかも劇。愛人に諭される姿は子供のようで側近達との空気も微妙。他作同様紗がかかった画が印象的だがドキュメンタリー出身の監督が”架空のドキュメンタリー”の意でフィルターをかけたのではと私的想像。わが道をいく好きな監督
オードリー・ヘプバーン映画で特に好きな3本は『パリの恋人』『シャレード』『いつも2人で』なのだが、ということはむしろ私はスタンリー・ドーネンが好きなのか。いやでもウィリアム・ワイラーの数本はもちろんビリー・ワイルダーの2本もかなり好き。結局は偏に…。
『パガニーニ』
クラウス・キンスキー監督・主演。才能と引き換えに悪魔に魂を売ったと言われるパガニーニ。バイオリンの作法が出鱈目、性愛描写ばかりで観るに堪えないといった批判も多い本作。しかしplay=演奏と演技に共通点を見出し、パガニーニに自己投影したクラウスの鬼気迫る演技はすさまじい
『キャンディ』
ナンセンスなお色気映画と言ってしまえる反面、毒のあるシュールな描写がカウンターカルチャーの塊のようにも見える。マーロン・ブランドやリンゴ・スターほか出演者も豪華だ。イージーライダーの脚本参加等で知られるテリー・サザーン原作。発禁本指定の歴史も。自由で素晴らしい。