//=time() ?>
鈴木大輔『育ちざかりの教え子がやけにエモい3』読了。恋をしている少女の危うくて輝かしい魅力と、一瞬で変化してしまうそれを早く切り取らなければいけないという焦りが、眩しい季節に乗って届く。才能を秘めたひなたがどこまで羽ばたいていくのか、こちらを振り返ることはあるのか。続きが楽しみ。
鈴木大輔『育ちざかりの教え子がやけにエモい』読了。椿屋ひなた。中学2年生。身長172cm。整った顔立ち。注目されるのもむべなるかな。私だって気になる。子どもと大人のあわいに生きる1人の少女を多視点で描く物語構成がおもしろい。全体の温度を定義するプロローグおよび第一話導入部が何気に見事。
杉井光『楽園ノイズ』読了。何度も読み返して筋は一通り知っているのに、涙がぼろぼろ溢れてくる。甘やかで煌びやかで美しく時に切ない文章に陶然とし、物語の世界に潜っていく。ページを開けばいつだって彼らの奏でる音楽が聴こえてくる。これから何度だって戻ってきたくなる楽園がここで輝いている。
菊石まれほ『ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒』読了。作り込まれた設定が物語に深みと歯応えを与えている。情報化社会の未来を見据えたような事件の内容がおもしろい。後半ではエチカの心の動きが繊細に描かれ胸が詰まった。ハロルドとのバディはずっと見ていたくなる。続きも楽しみ。
斉藤すず『バレットコード:ファイアウォール』読了。僕らが参加したのは平和のための教育プログラム、そのはずだった。ここは仮想現実なのか、それとも現実なのか。すべての謎が明かされたとき、苦いものが込み上げてきた。まさかあの名をここで見ることになるとは。参加者全員の幸せと冥福を祈って。
葉月文『ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい』読了。ちょっとウザくて変態的なホヅミの語りが最高におもしろい。行き過ぎない絶妙な塩梅に独特のセンスを感じる。何気ない日々を通して気の置けない間柄になっていく2人の描写が素敵だった。作家と読者の話なところも好き。
長岡マキ子『経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。』読了。まさかこんなにピュアなラブストーリーだとは。話がシンプルな分、白河さんというヒロインのかわいさやキュンとする状況設定の巧さが光っている。これほど応援したくなるカップルもなかなか他にいない。続きも楽しみだ。
浅倉秋成『フラッガーの方程式』読了。稼働させれば誰もが主人公になれる科学的システムのモニターに選ばれた東條涼一はいとしの佐藤さんとのハッピーエンドを夢見ながら12月を過ごし始めるが一筋縄では行かず。無関係だったはずのイベントが伏線となり思いも寄らぬ展開を巻き起こす終盤に驚かされた。
西尾維新『掟上今日子の鑑札票』読了。目覚めた彼女は自分が忘却探偵であることを忘れていた。狙撃、地雷、戦車。平和ボケした日本ではついぞお目にかかることのない兵器を駆使して襲いかかる犯人の正体とは? かねてからの謎に迫るサービス回。この話はこれで終了というメッセージなのか、それとも。
紙城境介『継母の連れ子が元カノだった5 あなたはこの世にただ一人』読了。水斗も結女もいさなを多面的に見ているわけではなく、それはかつて小暮が暁月に対して犯したミスと似ていて。当たり前のようでいて相手に夢中になると忘れてしまうものを丁寧に描こうとする傑作。水斗に結女はどう切り込むか?