ろく℃🐱さんのイラストまとめ

毎日体ろり#293
きみの髪が長かろうが短かろうがぼくにはまったく関係ない。どちらもきみだし、きみであることいがいに重要なことはない。ただ、髪が長ければ少し、掴みやすいかなとは思う。尻尾でもいいんだけど、きみは人だから髪の方が現実的だよね、ぼくはまともだよね。

毎日体ろり#292
｢おはよ｣ってきみはフランス映画に出てくるこなれた女優みたいに。揃いのマグカップには塩ひと匙入れたコーヒーと膜をとったホットミルク。前にきみが砂糖と塩を入れ間違えてぼくはなんだかそれがすごく特別な気がしてコーヒーには塩。おまじないでお守りなんだ。いつかなくすけど。

毎日体ろり#289
裸足で星座。きみの影に鋲を打って剥がれないようにしたい。今見てるきみは既にもう過去のきみ。星といっしょのきみ。

毎日体ろり#287
｢先生ジジしてくんないからぼく、ジジやるね。｣だって。週末にある小さなハロウィンのイベント。こういうのきみ嫌がるタイプなのに上級生に猫のカチューシャを貸してもらったきみは確かに嬉しそうだった。｢先生、キキね｣。ぼくは困ってしまった。キキとかジジとか、なんだいそれ。

毎日体ろり#284
ちっちゃい鼻にちょこんとのる眼鏡、誇らしげに見せてくれてぎゅってなった。｢眼鏡、似合うな。｣｢せんせのめがね、四角くていいね｣、って見せあいっこした。くいって、なおす仕草あと100万回はみたい。

毎日体ろり#283
お手本みたいな台風だった。なんできみ、来ちゃったの、連絡いっただろう。｢わからなかったの、だから、」。先生、ごめんなさい、先生、帰れなくなっちゃうね、どうしよう。ぼくは窓の外をずっと見てた。ぼんやりしていないと気が狂いそうだったから。真っ暗な空が明るかったから。

毎日体ろり#280
｢先生、みて、お母さんのねこがこねこ見せにきてくれたよ｣。体育館の入口ではない横にある引き戸からきみは靴も履かずに飛び出した。｢先生、かわいいね、学校で飼えないかなぁ｣。そう言うきみがお母さんねこのお母さんみたいで苦しい。きみはこどもなのに。いつの間に産んでたの。

毎日体ろり#278
こどもってなんでか死体ごっこしたがるよね。｢せんせ、今から5分間だけしぬからね｣ってきみは目を閉じた。くすぐったら笑いをこらえてお腹が動いた。きみ、危ないよ、よくないよ。死体ごっこは同年代のお友達とするんだ。ねえ、ぼくはきみの鯨幕、作ったよ。とびきりきみみたいなね。

毎日体ろり#276
絞首台にのぼるみたいにきみは入場門を同級生といっしょにくぐってた。ちらりとこちらを振り返った。大丈夫、運動会のダンスなんてきみの人生になにも影響しない。軽く手を振ると悲しいみたいな目で歩いて行った。失敗したかな、でもきみはぼくのもとに帰ってくるんだもの。楽しいね。

毎日体ろり#275
お疲れ様ぼくのきみ。ハチマキ、嫌だったろうとってあげるね。ぼくは、ぼくの指できみの首を巻くことも出来るしこの不衛生なくだらない布できみの目を覆うこともできる。とてもかわいそうと思う。その可能性を知っているのか知らないでいるのかわからないきみが、だから、好きなんだよ