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父がそれを植え付け、彼が禁断の扉を開いた。
そして咲かせたのはあなた……。
そこが快楽の最果てかと思っていたのに、目隠しを外されて目の前に現れたのは……。
――意外な人物だった。
いつも通りの間の抜けた伊織の声を聞いていると、俺は思わずはぁっと胸の中にたまっていたよくわからない、重たい空気をその場で吐き出していた。
「ええよ、俺も腹減ったわ。なんか食べて帰ろか」
俺の言葉にふわりと笑みを浮かべる伊織に、なんだか一気に日常が返ってくる。
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『あの男を落としてくれないか』
俺は、神崎の為に、伊月に接触するのだが。
***
「……伊月、ネクタイ交換しないか」
「次に会う時に、返してくれればいい」
「いつ、会えますか」
****
堕とされるのは誰だ?
「私の全てを懸けて、生涯貴方をお守りします」
僕が欲しいのは、絶対の忠誠なんかじゃ無い。
本当に欲しいものは決して与えては貰えないんだ。
ねえ千早。知ってる?
僕はもう幼い子供じゃないんだよ…?
昨日の夜に柊くんが来てくれたのって偶然じゃなかったんだ。
榊先生や桜木くんもその力によって呼び寄せられたんだ。
昨夜、わたしを襲ったのは赤い目をした階級下の鬼だって。
階級は目の色でわかるって。
「鬼呼びの力、もしかすると呼び寄せるだけじゃなくもっとすごいのかもしれないよ」
時間は10分しかない。
どれだけその間に対象物を捉えて写し取れるか。
一瞬で物質を捉えること、それを表現すること。
その二つだけが今求められている事だ。
そう切り替えた瞬間、集中力が高まり、世界は無音になる。
目の前には対象物である女性と、白い紙と筆記用具しかない。
「沙也が浮気してる」
神崎からの頼みは、妻の浮気相手、伊月を堕とすことだった。
「……あの男を堕としてくれないか」
「……了解」
俺、荻原 章宏は、神崎のために、伊月に接触するのだが。
堕とされるのは誰だ?
「仕事で嫌なことあった?忘れさせてあげる」
なんていい男なんだろ。なんて優しい恋人なんだろ。
「……自分が嫌になっただけ」
「俺は好き」
間髪入れない言葉。
好きって、亮介は良く口にするようになった。
カササギが橋を架けてくれた、たった一夜の夏の逢瀬を楽しむために……。
「慶ってほんまアホやな」
「アホって……まあ、アホでもいいよ。七夕も何も関係なくて、ソレを言い訳にして、単にアキに会いたかっただけだしね……」
「──ほんま……アホや」
アホやけど……世界一、愛おしい。