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「嵐っ!」
俺を振り返り、「もう準備出来たの?」と聞くから首を振った。
「中入って……?少し話そう」
言ったけど、嵐はゆるやかに首を振った。
「それよりさ、熱ないなら初詣行かない?今、雪やんでるし」
優しい笑顔。静かな声。
俺は……振られてしまうのだろうか……。
「カ…、」
薄い唇が紡ごうとした名を、指先を当てて止める。
触れる体温は、やはり温かかった。
(前世のおまえはどうだったのだろう)
**
――人と魔は、ほんとうにわかりあえなかったのだろうか…。
(俺の名など呼ぶな)
俺は――
「――俺は、おまえを……」
殺した勇者だ。
子供の頃は弟と仲が良かった。
さっちゃんさっちゃんと歩いて着いてくる姿はとても可愛かった。
いつも俺の手を握り、離さなかった
*
統乃はその子に向かって声を掛けた。
「さっちゃん!」
「……え?」
つい反応してしまった。
昔統乃が俺を呼ぶ時のあだ名と同じだったから
自分のものより小さい志藤の手
そうだ、出会った時。この手を信じたんだ。
*
「俺が手を引く。たいちゃんが俺を頼ってくれるなら、俺がたいちゃんの前を歩く……っ!だから、だから……っ」
顔を上げ、涙も拭わず、志藤は太一をまっすぐに見つめた。
「俺に付いて来い…!」
彼は学園で一番人気があり信頼も厚い生徒会長、長嶺翔。
……元俺の執事だった男
彼は俺がこの学園にいる事を知らない…知らなくていい、今の俺は借金まみれの貧乏人…会わせる顔がない
そう、思っていた
**
「佐助様っ!!」
「…っ!?」
あぁ…最悪だ…こんなドジを踏むなんて
#私の絵柄で見てみたいキャラっていますか
①勇利 /cakeさん(@cake1028 )
②三日月さん /夕ちゃん(@yuki_s_1224 )
③ギンコさん /花梨ちゃん(@loved_moon )
④安室さん /椿ちゃん(@Camellia634 )
首に触れていた魔王の手が、ふいに俺の顎を掴んで持ち上げ、酷薄そうに見える薄い唇が間近に迫り、「カケル」と俺の名をかたどるのが大きく視界に映し出された。
それはあまりにも突然の行為で――、完全にふいをつかれた形だった。
全部、全部、愛していた。ここでまた泣いていたら比呂人が声を掛けてくれるだろうか?
『ラッキーでしょ?僕のラッキー半分わけてあげます』
そんな風にまた甘いココアを俺に渡してくれるだろうか?
永遠に忘れない。
どれだけ残酷な別れ方をしていても、この記憶だけは色褪せないんだ
愛おしくて、愛おしくて、愛おしくて。
切なくて、可哀想で。
……ずっと憧れてて。
『俺は、お前だけをずっと好きだ』
一生、声に出せなくてもいい。
伊織が誰を思って俺を抱いていても構わない……。
誰にも分ってもらえなくても……今、俺は幸せなのだから。
広げたのは目の前の人の裸婦デッサンだ。さすがに、びっくりしたらしく、エリカさんも顔を真っ赤に染める。
「綺麗なものを見たらその瞬間を切り取って、描きたくなるのが絵描きの本能やろ?」
そういうと、新しいページを出して、あたりを取り始めている。
「ちょ……伊織、やめやっ」