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「兄弟は大雨の中で松明を照らしながら
『さあ、いよいよ命がけだぞ。
お別れに顔をよく見ておこう』
と、互いに顔と顔をじっと見合わせて」
うおおい、幼少期にこんな熱いブロマンス絵本を見せられたら、性癖どうかなっちゃうでしょう!
流布本にもある(※流布本ではもっと熱い)名シーンです。
兄の笛にあわせて舞う五郎さん。舞を~ひとさし~。
流布本や能「小袖曽我」から。
曽我物語だと、母上は兄弟が仇討ちに行くことは知らないまま別れていますが、この絵本だと知った上で見送っています。
別当の出番は、残念ながらカット。
兄弟再会後、2年半の仲良し青春時代。
兄のピンチに、その辺の大根をひっつかんで鞭にして馬で駆けていく、どうかしてる五郎さんは、歌舞伎「矢の根」(江戸時代の実際の事件を取り入れた二次創作)から。
朝比奈三郎との力比べは、流布本や歌舞伎から。
松を抜く逸話は、出典がわかりません。
曽我物語だと、筥王は、箱根山で工藤祐経に会っています。
初めて見る仇の姿。工藤祐経は筥王をなめた態度を見せ、赤木柄の刺刀を贈ったりします。
悔し涙とともに「死んでもあいつを討つ」という明確な意志が筥王の中に生まれたのは、このときです。
(この刺刀は後に仇討ちの際の装備になります。)
工藤祐経が、幼い曽我兄弟を処刑させようと画策するも、あわやというところで助かるエピソード。
仮名本にはなく、流布本にのみある部分です。
曽我兄弟を救いたい!という人々の思いが、兄弟のために必死でとりなしをする御家人たちの姿に反映されているのかもしれません。
兄が色白、弟が浅黒い肌なのは、曽我物語にも記述のある公式設定です。
父上の死の直後は母上が「敵討ちをしておくれ!」と言い聞かせていたのに、再婚した母上は「敵討ちなどやめなさい」と言うようになる。
一万と筥王だけが、無垢な心に刻まれた目的を捨てることができなかったのが、切ない。
この絵本、2002年にも文章を差し替えた新版が発行されています。ただ、旧版からカットされているシーンがあるのが惜しい。
父上が亡くなったシーンまで。
暗殺者は工藤祐経の部下(祐経本人ではないです)。
ガチ泣き一万ちゃんと、事態をよくわからずぽややんとしている筥王ちゃん、かわいそ可愛い。
旧暦5月18日は曽我兄弟の仇討ちの日!!
ということで、
名作絵本「曽我兄弟」をフルでご紹介します。
(昭和11年講談社。絵:布施長春 文:大倉桃郎
著作権保護期間は終了👍)
建物や風俗は江戸時代のものがまじっていてやや不正確ですが、絵が子供向けを超えた美麗さ。
ファンの多い絵本です。
「上政」さんには「満仲公」(でかい源氏饅頭)以外も源氏ゆかりのお菓子がいっぱい!
・鬼切丸:白あんの上品なお味。パッケージが鍔
・多田源氏:ナッツ・レーズン入りの黒餡が香ばしい。パッケージが膝丸極ぽい
・清和の雫:いちじく砂糖漬け。上品でしっかりデザート
どれも美味しいです!
#エアブーHARU0228
#エアブーHARU2021 参加しています。
https://t.co/cMnc03c02s
新刊は、薄緑来歴本(源氏兄弟考察本増補改訂版の一部の改稿&書下ろし10頁)と、GHQ本一般向け版です。
春コミ&源刀兄弟11も本日ですね。
リアルでもエアでもイベントに参加される皆様、ご無事で楽しまれて下さい!