歌草さんのイラストまとめ

「音のない悲鳴」

絵描きになにができるのか
詩書きになにができるのか

ただうつむいて涙を流すだけか

私は信じる

武力を操る者たちをもねじ伏せる
表現のちからを
ひろがりを

#戦争反対 #Ukraine #あらゆる戦争に反対します #adobeFresco #UkraineRussiaCrisis

幾重にも
重なる花の
奥にまで
色の名前が
あるらしい

強引な誘いに
あきれながらも
いそいそと
着物と帯を
選ぶとき

襦袢から
肌の匂いが
たちのぼり
ふたりで鮎に
なったとき

いえいえ私の幸せは
小さな小さな幸せは

ひとりであなたを
思うとき

#AdobeFresco #言葉の添え木 小さな幸せ

「一緒に帰ろ！」

前回、暗い制服少女を描いちゃったので、明るい子も描こうと思いつきました。鉛筆と水彩でラフスケッチ風味です。

#AdobeFresco #制服少女　#デジタルイラスト

きっかけは些細な悪ふざけ

おはよう

みんなで無視した

彼女は目を見開いて
真っ赤になった
どうしていいかわからず
おどおどして

「犬みたい」

誰かが笑った

無視は毎日続き
心から犬になった

痩せて犬小屋に籠ったが
人間でいることができた

あの頃の
わたしは犬

#言葉の添え木 何処かの君へ

最初はほんの好奇心だった

カメラの前でわたし
どんどん大胆になってゆく

主人にも見せたことのない
あられもない姿

いいねその表情
目線こっちちょうだい

カメラマンの手練手管で
照明の眩しさで

わたしの自我が
薄皮を剥くように剥がされてゆく

やがてわたしは
名前のない雌猫になっていた

君は僕を離さない

ママと絵本を読む時も
悪戯お絵描きする時も

僕らは絶対離れない

叱られたときは
抱きあって
一緒に真っ赤に
なるんだよ

他のなにかを気に入って
そのままぼくを忘れても

真っ暗な箱で旅をして
ガラクタの山に埋まっても

煙になってもぼくは

#言葉の添え木 君色 #AdobeFresco

描きたいタイプがあります。例えばくりくりした目より細目。一見地味だけど、浮世絵の花魁のような妖艶さを隠し持っていて、少女にもやり手ばばにも見える一瞬がある。華奢なのに意外と低い声。柳腰。関節を感じさせない線。いろいろあるけど猫系ですね。#猫　#デジタルイラスト

あなたがおそらをみるときは
わたしもあなたをみています

ブランコこいでゆらゆらと
大好きな目をみています

あなたの子どもが指さして
あれはなあにときいてます

ベガにデネブにアルタイル
さんかくなぞりおしえます

かつてわたしにしたように
おでこくっつけわらいます

天体観測 #言葉の添え木

どうして鷹に転生したの

飛ぶものでは鷹しか
思いつかなかった

重たげな乳房と
生白い足と
湿ったまつ毛

いつもみたいに差し出して
飛ばせてと叫び
地面に激突した

宙に口笛
高く
低く

産毛に覆われたわたしの
若い翼

飛べ

#言葉の添え木　「自立」

産んだ日は雪や
バスで街までいって
まだやと医者に言われ
引き返して
ほやのにまたバス乗って
ガッタンガッタン揺れて
今にも出そうやのに
初産やから丸一日かかって
難儀した

母は繰り返す

やがて音色に
風穴
あるいは声明
わたしと同じ色の声

#言葉の添え木 #音色