彼はここへ流れ着いた際、虚空戦姫に命を救われた。

彼の肉体は次元境界の「光」に焼けただれ、地面を這うのも精一杯の状態であった。

虚空戦姫は…、そんな彼に興味を持ったか。自身の体組織を与えた。

つまり、自身のヴォイド組織をチャールズへ寄生させたのだ。

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「脚と、腕さえあれば良い……」

言い聞かせるように、言葉を紡ぐ。
顔を上げ、神鹿を睨みつける。

「これが最後だ……力を、貸してくれ……」

意思の無い“相棒”へと声をかける。
いつだって答えは無かった。
だが、応えてくれていた。

『ヴォイドアップ……!』

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(──不完全?)

思考の渦の中、その言葉に引っかかりを覚える。
間も無く、頭の中でピースが嵌まるような感覚。
きっと冷静であれば選ばないであろう選択。
だが、今はこれしか無いと思えた。

(出来る筈だ……)

確信を持って足を踏み出す。

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連戦に加え、ダメージの蓄積が著しい。
既に不完全な変身に留まっていた以上、完全に変身する事は不可能だろう。
だが、それでもその言葉を再度口にする。

「ヴォイ……ド……」

声を震わせながら右腕を伸ばす。
ここで終わる訳にはいかない。
不完全だとしても、やれる事は──

0 5



──だが、彼我の力の差は歴然であった。

ルーカスを狙って振るわれた槍は、その余波ですら凄まじい圧を放っており、不完全な変身に留まっていたアシュレイは抵抗する間も無く弾き飛ばされる。

「ぐっ……あ……!」

気力を振り絞って立ち上がるが、既に変身は解けていた。 https://t.co/4bbtWifa69

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ニコライ、ハルカともにヴォイドリーチを食い止めている。そして…

「僕たちも、やってみせるさ!」

フウマ達二人も近接戦に入り、援護へと加わる。敵の攻撃の威力は絶大だが回避に集中し、タイミングを狙い攻撃して注意を引きつける。

https://t.co/qzhHOwGml6

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「……時間稼ぎくらいは、出来るよな」

そう呟き、【錆の王】に向き直る。
身体が震えているのは疲労の為だけではないだろう。
残った力で無理矢理それを抑え込むと、振り絞るようにその言葉を発した。

「──ヴォイド、アップ」 https://t.co/tdhb6g2gQj

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そしてアシュレイは一人残り、状況を再確認する。

最初に現れた異形にはパトリックとガーレンが当たっており、既に戦闘は佳境を迎えていた。

次に現れた赤錆色の巨体は、どこかそれに似通った姿へと“変身”したヘルトと、《ウル》の2人が対処している。

「俺に、出来る事──」 https://t.co/XerfwYxxLa

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「私はまだ余力があります。アシュレイ殿は──」

休んで、と告げようとするシルクは、不意に吹き抜けた“風”の違和感に気付く。
血、鉄、錆……それらを思わせる、不快な気配を孕んだ風。

そしてシルクは知る由も無いが、アシュレイはその風を“覚えて”いた。

「アイツは……!」 https://t.co/1qDuM8AaJm

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「よし、俺は──」
「待って下さい」

戦闘に参加しようとするアシュレイをシルクが手で制す。

「……貴方も一旦戻って下さい」
「何言ってるんだ、俺はまだ」
「その状態では無理です」

先程自身の疲労を自覚する発言をしていた手前、シルクの言葉に反論の余地は無かった。 https://t.co/F2GPXG3h86

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3人とはある程度距離が空いており、ルーカスとヘルトが異形と相対した事で体勢を整える余裕がまだ僅かにある。

「俺はさっきの戦闘で弾がもう保たねぇ。一旦キャリーに戻る」
「了解しました。キャリーをお願いします」

ノーフェイスが2人より先んじてキャリーへ戻っていく。 https://t.co/FCzZbKJyWD

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蹄鉄の音が聴こえる。

「婿殿、マズい…王のお出ましだ」

シュピネンの声とほぼ同時に彼らは血と錆の棘がアスファルトを割って周囲を取り囲むのを見た。

棘状の柵を飛び越えて、現れた影が繰り出す一撃をルーカスは辛うじて躱すがその衝撃に転倒してしまう。

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──此処での戦いは終わった。
膝を付き変身を解いていたアシュレイにシュピネンが手を差し伸べ助け起こす。

「……ありがとう、ございます」

アシュレイがその手を取り立ち上がると、【アスラ】達の掃討を終えたシルク、ノーフェイスがこちらに近付いてくる。 https://t.co/FdzxFf89Aj

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【アグニ】だった男は、それまでの勢いを失くし、文字通り燃え尽きたようにその身体を崩壊させていく。
あまりにもあっけない最期。

「……」

アシュレイにも断片的にしか事情は窺い知れなかったが、その姿にはどこか哀れさを感じていた。 https://t.co/cfoFrWPQKX

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膝をついたアシュレイに迫る【アグニ】から庇う様に、ルーカスが目の前に立つ。
そして、アシュレイが今しがた砕いた装甲の隙間に覗くものから、その正体を看破した。

「人間じゃ……なかったって事か……」

生ける屍……否、機械に意志を宿した、人の似姿。 https://t.co/BvpHX4pDiF

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Final chapter. start──

水音。

「………くん。」

浮遊感。

「ソー……くん。」

心地よい。穏やかで柔らかい声。

「ソーンくん。ダメだよ。」

叱るような声音に変わる。

「勝手にいなくなっちゃダメだよ。」

(ああ…わかってるよ)
https://t.co/6bjOypJ7Ie

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お相手させて頂きありがとうございました😭🙏✨
自分達の荷物に紛れ込まれてしまうという恐怖‼️
流石イワ師さんのクリーチャー‼️
https://t.co/OnlpwcXPae

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FinalChapter
Cグループ

「虚無の叫び」

任務期間
6/27〜7/9(予定)

参加対象ガバナー











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