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じかに影を画面に映すスレインサイドでももちろん3羽です。伊奈帆も見上げ微笑んだあと最後は視線を外す。スレインだけは鳥を見つめたままで画が終わるんだけど、コンテが巧妙でそこから俯瞰視点の鳥影(=アセイラム視点)のラストカットに続くので
「たかが脚本ごとき」。同じような場面同じような芝居を幾度も繰り返すから、ト書きや台詞だけ追ってしまうと「同じようなことをしてるだけ」にしか見えない。画と音で表現する時間芸術にあって文字情報はその中のほんの一部を構成する部品に過ぎない。
「伊奈帆最初の出撃」と「伊奈帆最後の出撃」はさすがに一対のシーン、そっくり忠実に(てかトレスを用いて)「同じ演技」で手続きが進行される。…されるが、あまりにそっくりなだけに両方み比べると「最後のところだけが違う」のがみてとれる。
「それはとても悲しい事です」 海賊放送を注視していた伊奈帆が安心するのはこの言葉を聞いた瞬間。「悲しい」が「嘘じゃない」から…。ついさっきその伊奈帆自身が「嘘をついて韻子たちを安心させてきた」のと対称的なさま。
「もう、軌道騎士の愚行を止める者は居ないのですか?」 「もう、私にできることはないのですか?」 「お願い」も繰り返される。11話での伊奈帆へのお願いは自分を揚陸城に連れてってもらうこと。それはアルドノアドライブの強制停止なのだけど…
拒んでも突破してきてくれる友だちや姉。…そして今回とうとう人間の言葉を喋ったアナリティカルエンジンもまた「スレインにとってのハークライト」との対称を成す。コッチはまったく感情を持たない「のに」伊奈帆の心の奥を正確に知り得てしまうのよ。
「ハークライトさんが計算した範囲に集弾させました」 「暗号解読とデータの洗い出しを入念に行えば割り出せる」 ハークライトはアナリティカルエンジンのようにスレインをサポートし、韻子たちのように心からスレインを慕っているけど…
11話パートにあたる部分のクライマックスは「逃がす」シーンになろうが、ちゃんと二人の二段階を置いて重ねてあるのが丁寧だ。アセイラムに憎まれ口をききつつ逃がすレムリナは前回の「どうして」の凶行未遂からのひと続きでライエを踏襲する。
かつて全軍で姫抹殺を目指したのは火星の側で、そのなかでひとりスレインだけがアセイラム救出に駆けまわるという構図。それが今回は地球軍側で展開され、正反対の目的で孤軍奮闘するのは伊奈帆ひとり…なのだけど、このスレインの「万年天中殺」ぶり。
「口で説明せず映像だけで」というのはたとえばこういう演出で、マズゥールカ卿がスレインと伊奈帆「どちらを信用してみようと思ったか」をコンパスに喩えて明らかにするシーン。ここはわかりやすく右=スレイン、左=伊奈帆にゼスチャーで示される。