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「島内巡回スーツケースバス、発車しまーす」
「…鴎、何言ってるんだ?」
「いいから押してよ、運転手さん」
「…閉まるドアと人使いの荒い鴎にご注意ください」
「バスガイドに向かって失礼な」
「それより本当に島のディープスポットを巡るのか?蒼からの情報だし、変な想像しちゃうんだけど」
「ハイリさんはシズクとデートがしたくなーる…デートがしたくなーる…」
「…紬、何やってるの?」
「むぎゅ!?シズク、これはスイミンガクシューというもので…」
「ああ、そういうこと…パイリ君は私たちとデートがしたくなーる…」
「そ、それは駄目です!」
「(実は起きてるんだけど…)」
「最近、羽依里が腰が痛いってよく言うの。農作業のしすぎだと思うけど」
「将来の旦那様なんだし、マッサージとかしてあげたら?」
「それは毎晩してあげてる」
「ま、毎晩…ま、若い頃の腰痛なんて腰動かしてれば治るわよ」
「…蒼が言うと変な意味に聞こえるね」
「べ、別に他意はないから!」
「ポーン!」
「うわ、イナリってば、ずぶ濡れじゃないのー」
「ポンー…」
「まだ降らないだろうと安心してた…と。拭いたげるからこっち来なさい」
「ポンポーン!」
「…それより、この雨の中を羽依里が歩いてる…ずぶぬ濡れだ…?」
「ポン!」
「…情報ありがと。迎えに行ってくるわねー」
「蒸し暑い…今日も雨だし、まるで梅雨だ…」
「そろそろ食べ物の心配をしないといけないかもね。一昨日作ったいなり寿司、そろそろ危ないかも」
「でも数が多いですし…あ、ちょうどイナリが来たのであげちゃいましょうよ」
「そうだね。イナリ〜、いなり寿司があるよ〜?」
「ポ、ポン!?」
「水織先輩、ご卒業おめでとうございます」
「おめでとうございまーす!」
「ううっ、くっ…」
「ほら天善、泣いてばかりじゃ駄目よ」
「わ、わかっているが…涙が止まらない…」
「先輩、卒業後は美大に進むんでしたよね」
「ええ。おっ〇いの素晴らしさを世界に広めるため、芸術家を目指すわ」
「最近、島に猫が増えたと思わない?」
「春だしな。中には人懐っこいやつもいるけど」
「もうね、色々と大変なの」
「…縄張り争いがか?」
「失礼な。いくら私でも猫と張り合ったりしないよ」
「でもこの間、港でスーツケースを挟んで威嚇しあう猫と鴎を見たって、蒼が」
「見られてた…!」
「ゆいちゃん、お誕生日おめでと」
「小鳥君、祝ってくれるのは嬉しいがゆいちゃんはやめてくれ」
「あたしのことも、ことりんと呼んでいいよ。それで、ゆいちゃん、ことりんと呼び合うの」
「コトリマックス…は被るな。よし、コゼニスキーと呼んでやろう」
「おおぅ…」
#来ヶ谷唯湖生誕祭2023
「救難信号も効果ないみたいだし、そろそろ本格的に島から脱出する方法を考えなきゃな…イカダを作るか…」
「あ、スーツケースの中にゴムボートあるよ!」
「なんでそんなものが入ってるんだ…!」
「…でもこれ、一人用なの。羽依里は…スーツケースに掴まりながら頑張って泳いで」
「ほう」