//=time() ?>
山崎ナオコーラ『リボンの男』を読了。専業主夫の小野常雄、通称・妹子。必ずしも家事や育児=女性の仕事ではなく、家族を養う=男性の仕事でもない。それぞれの目指すものによって、多様な家族の形があって然るべき。小野家のような家族が、もっと認められる世の中になってほしい。タロウが可愛すぎる!
寺地はるな『正しい愛と理想の息子』を読了。意図的に人を騙すハセと沖に嫌悪感はあるものの、詐欺には不向きなくらい抜けていて憎めない。それでも、少なからず被害者は存在するわけで、二人の更生と善一郎との和解を願うばかり。それはそうと、改めて表紙を見ると、ハセのシャツがわたあめちゃん柄!
柚月裕子『ウツボカズラの甘い息』を読了。文絵の持病もあって、彼女が語るあれは妄想かも?と思える箇所がチラホラと。が、こちらじゃなくてそちらですか!な妄想に、良い意味で裏切られたと同時に、申し訳ない気持ちになった。あの人の境遇は不憫だけれど、彼女の行いは同じ人を二度殺したも同然。
新久千映『ワカコ酒 1』を読了。26歳・OL、村崎ワカコのひとり酒日記。1話あたりのページ数は少ないものの、料理1品とその料理に合うお酒が紹介される。ワカコの食べ方・呑み方は、とても上品でとても贅沢。お金をかけているという意味ではなく、全ての料理とお酒を尊重している姿勢が素敵。ぷしゅー。
柴崎友香『待ち遠しい』を読了。年齢も性格も違う3人の女性の共通点は、同じ敷地に住むご近所さん。正直なところ、ゆかりのお節介も沙希の不躾さも苦手で、ご近所付き合いは遠慮したい。が、職場での諸々や世間に対して思うことは共感しきり。タイトルは、近い未来の小さな幸せを楽しむ、ということ?
寺地はるな『夜が暗いとはかぎらない』を読了。全15編が収録された連作短編集。特別に大きな幸せはそうそうなく、むしろ辛いことの方が多い世知辛い世の中。そんな中で、小さな安らぎや人との繋がりを再認識させてくれる、ほっこりと心に優しい作品が並ぶ。「グラニュー糖はきらきらひかる」が印象的。
松岡圭祐『イリュージョン 最終版』を読了。里見沙希vs椎橋彬のマジック対決が見られるのかと思いきや、沙希の出番は友情出演程度で拍子抜け。が、彬が万引きGメンとして活躍する様が面白く、15歳とは思えない自分プロデュース力が痛快。舛城刑事は甘い気がするけれど、彬の前途が開けていますように。
松岡圭祐『マジシャン 最終版』を読了。本書が3バージョン目になるけれど、過去の「マジシャン」は未読。事件の端々で使われるマジックが興味深く、知識が無ければ翻弄されてしまうのも分からなくはない。が、マジシャンの沙希や刑事・舛城、元詐欺師・飯倉に好感が持てるものの、真犯人は肩透かし。
ジョーン・リンジー『ピクニック・アット・ハンギングロック』を読了。正統派ゴシック小説。失踪事件によって歯車が狂っていく様が時に強引ではあるものの、1900年という時代設定と作品から醸し出される雰囲気で、些細なことはそれほど気にならない。ただゆっくりと、心を蝕む不穏さに身を任せるのみ。