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キアーロは一歩ヴィタリーに近づくと、徐にゴーグルを外し、ヴィタリーの額に片手で押し付けた。
「……フレディさん」 「え、」
これは、これからも生きていくために、人生を歩いて行くために、彼にとって必要な作業だ。 「花に嵐」から始まる古い言葉ではないが、前を向いて生きるために、別れの場に彩りがあるに越したことはないだろう。
「……決めました!明日もここで星を見ましょう、とぅーやん」 左手でぬいぐるみを持ち上げ、目を合わせる。ぬいぐるみは、心なしか嬉しそうに見えた。
「…完敗よ。えぇ、私は『駄々を捏ねられてしまったから』残ることにしたわ」 「だから、あなたも責任をもって元気で過ごしてちょうだいね。約束」
「……頭よしよし、ってして欲しいの…その、無事にたどり着けるおまじないみたいな…?」
「──────愛してるよ、キアーロ。君がどう変わっても、ずっと」
……ふと、クレアが首を傾げてジェシカより更に向こう側を見る。 「あれ、なに?」 ジェシカが振り返れば、白い何かが近くの床にぽとりと落ちてきた。 なんだろう、そう思い近寄れば、それはくしゃくしゃで不格好な紙飛行機だった。