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「……その、抱きしめても、いいか」
頷けば、恐々と腕を回す彼の身体を強く抱きしめる。
「………幸せになろう。……皆の分まで」
「うん。…幸せになれなかったらきっと、俺も君も家族に怒られるよ」
「ああ、そうだな………」
「短い猶予で出した答えって後悔しがちだからさ、少なくとも今死ぬって決断は……あんまりしたくない、かな。いつかリースがどうしても死にたくなっちゃったら付き合うからさ、今だけ俺に付き合ってよ」
少しずつ調子を取り戻してきたらしい幼馴染に笑いかける。
さくり、と心地の良い音が静かな資料室に響いた。
未練の証も、これから歩く未来をも手放した男が見せたのは、幸福感の滲んだ控えめにも温かみのある笑顔だった。
それを目の当たりにしたヴィタリーの精神はとうに限界だった。
怒りなのか、悲しみなのか、罪悪感なのか。
名前も知らない感情がぐるぐると渦巻いて目眩がする。