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「ヒヒ、オレサマと正反対だよオマエはさァ…。クソつまんねェ堅物なところとかナ」
「同じでしょう。性格はどうあれ、貴殿も自分もお国にその命を捧げた身。最も…貴殿が”裏切り者”でなければ、の話ですが。」
裏切り者·····ここに居た、どれ程の者がその言葉に反応したのだろうか?
「オレサマに賭けたヤツはラッキ〜だナァ!チップが2倍になって帰ってくるんだから」
面白くなさげに軽く溜息をつくと、客席へと声を張り上げる。
小型ナイフの格納を解く。殆どの武器を使いこなして尚、手に馴染んできた相棒。よろしく頼むぜ、と心の中で語りかけた。
「…戦闘終了です。ギャレン・コールの勝利!」
声のするほうを向くとにこり、戦闘が始まる前と変わらない表情で笑いながら拍手をしていた。勝つ事に必死で忘れていた怒り、殺意がぶり返す。
「……ッ、次はお前だ………」
「…ッ、なんで死なないの、はやく死んで…!」
火薬の匂いと、バン、という音と共にラウラの腕が衝撃で打たれる。遅れて、脳に痛覚が伝達され始めた。
痛い……痛い、嫌だ…………死にたくない、助けて………まだ、生きていたい。
勿論抜け目など無く、脱出に繋がる情報も見つけられないままとうとう自分の番になってしまった。
___いや、今不安事を増やすのは良くない。長い髪を指でくるくると弄りがら待っていると、次第に人が集まり、地下へと下っていった。表情を引き締めて、皆が観客席へと移動するのを見届ける。
峰打ちなんて有り得ない、彼の腕前なら細い腕を切り落とす事なんて造作もない事だから。それをオディリアはよく知っている。
ランハートの事が分からなくなってしまい攻撃を躊躇した。
彼もまた酷く焦っていた。
母のように暖かだった彼女に仇を成すように傷つけ、ここまで追い込んでしまった自責。
自分は今刻一刻と彼女の慈愛に応えられる最後を失っていく。
「ほら、そんな顔しないで。もう少し傍においで。」
アナスタシアは最後の力を振り絞り、ネオの袖を引く。
「黙れよ!!!!!!!!!!!!」
バシュン、と確かな質量を持ったものを突き通した音がした。勢いのよく貫いたものは背中側からも血が吹き出し、そのまま背後に近い壁へと誘われる。
「強くなったね、ネオ。」
その音を発したのは、無垢の手袋を赤色に染めたアナスタシアだった。