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「…っまだ、やれマス…!」
「させるものですか!」
負けじとバーで殴りかかるが、避けられてしまった。こちらからもモーニングスターの軌道が丸見えだ。すかさず避ける。
お互い攻め続けるも回避が続いた。
また前を向くと、控え室へと消えていった。
ロジェを殺した際の返り血でも流しに行くのだろう。勝利したって、こんなの全く嬉しくない。
………おめでとうございます、なんてとんだ皮肉だ、先程の嫌に綺麗な笑顔が脳裏にこびり付いて離れなかった。
きつく握った手を下ろすと、ピグマリオンから目線をそらす。乱れた白の長い三つ編みを背中へ流すと、眉をひそめた。
「…………気分が悪いわ…」
「出血がひどい···まず、治療に行こうよ。そのままだと、きみも···」
「医務室へ連れて行ってください。私も戻ります。よろしくお願いしますね」
___どうして?本当に?何故?
何故、彼が死ななければいけなかったのか?
優しくて、いつも仲間思いで…少し変わっていたけれどそれでも誇り高く、軍人の鑑のような精神で……悪いことなんて、何も。
「あぁ、すみません、遮ってしまいましたね」
悪いことなんて………………。
「賭けについても併せてご説明致しましょう。
これから戦闘をするお二人以外の方は上の観客席に移動して頂きました。それぞれ9枚ずつこのコインをお配りします。…便宜上『セラムチップ』と呼びます。」
ポケットから1枚の、カジノへ行ったことがある者はよく見慣れた円状のチップを取り出した。
「ロジェ様、ユノ様。戦闘開始まで入口にてお待ちください。貴方達が初めての戦闘になります。応援していますよ。」
互いに顔を見合わせ目を見開き顔を青くした。
「まさか、嘘ですよね?……応援なんてご冗談を」
「本当に仲間同士で……ロジェさん…嫌!私嫌よ!」
「着きましたね。皆様そちらの階段から観客席にどうぞ。…事前に通知させて頂いたお二人はここにお残りください」
「こっちだよ。ちょっと暗いから転びそうだったら掴まってね」
優しい口調と裏腹に有無を言わなさない、と赤の十字の目が細められる。