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とっさに持ち直し、緋高は樋崎を庇って胸を貫かれた。
だが同時に、半分になり軽くなった薙刀の切っ先を、虎狼の下腹部にありったけの力を込めて突き刺し、貫いた。
危機的だった状況を、自らを犠牲にしてやっと逆転ができた。
虎狼が霧の中から姿を現した。
だがその表情はいつになく険しく、緋高はやや驚きと共に違和感を抱く。
それを樋崎に伝えようとしたが、緋高が口を開くよりも先に彼女が啖呵を切りだした。
やっと浄化してもらえるんだ……ぐっちゃぐちゃに壊してもらえる……アナタに……わたしを…………。
…………。
「だいすき……♡」
「こんなの……っ、奈々生さんじゃない……!」
苦しかった。その狂気的な目をもう見ていたくはなかった。
半狂乱のように叫んで、気がついたら引き金が自分の手によって引かれていた。
「とぼけないで?」
来栖は真っ直ぐに歩み寄ると、自身の愛刀を勢いよく抜いた。
「ずっと邪魔だと思ってたけど、確信に変わった。やっぱりお前なんかがユレンの……『光』の傍にいたのは間違いだったの」
「ユレン!」
たまらず、叫んで手を伸ばした。強く前に。痛いほど思いきり前に。
けれど彼女のところまで届きはしない。もう全てが遅かった。