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「荒野地帯L。当時地球連合軍の要請で後方支援部隊の指揮を任された私は、そこで傷だらけの彼女を保護したのです」
当時地球にて3ヶ所同時に確認された特殊資源
それを巡り三つ巴による資源の奪い合いが行われたは記憶に新しい
荒野地帯Lは、その中でも地球連合軍が唯一確保した資源エリアであった
「…そういえば彼女、元マクシオンでしたよね」
グレイソンがルクレツァの経歴を思い出す
「局長の一件で自害しそうになった時といい、エアリスって娘の事といい…彼女はいったい何なんです?」
グレイソンが過去の出来事を含め改めて確認する
「…彼女は私が戦場で保護した兵士です」
「え…?」
「じゃあ、ルクレツァさんはどうなるんです?」
ラリーがルクレツァの処遇を聞く
アルゴス同盟の本拠地に何かしらの暗号通信が送られていた件である
「私も何故ああなったのか解らないんです…」
嘘は言っていない
だが、原因の説明にはならない
幸いEXMが中破した事もあり暫くは司令部勤務となる
「監視、ですか…」
下された処置に険しい表情を浮かべるトビアス
「あのローレンツって人が連れていかれたのに…どうしてですか…」
ラリーも対応に怒りを覚える
「妥当な判断だと思います…私が同じ立場ならそうします」
レオンとの関係を考えるミリア
上層部が目を光らせたいのも頷ける
容疑のかかった二人に突き付けられたモノ
ミリアはアルゴス同盟のリーダー格の一人、レオンとの親密な関係について
ルクレツァはリーダーのエアリスとの繋がりとアルゴス同盟本拠地への通信について
詳しく調べ双方に容疑こそあれどスパイ確定までには至らないとして監視対象となる形となった
「大丈夫?ルクレツァさん…」
「…はい、なんとか」
同僚の心配をするラリー
親友の死を嘆く暇もなく取り調べを受けたルクレツァは心身共に疲弊していた
「その様子ですとかなり絞られた様ですね…」
「…身ぐるみ剥がされた気分です」
二人の様子を伺うトビアスにミリアが当時の様子を例え話す
ローレンツが連行された後、カイが音頭を取る
「皆さん、幸い次の作戦までには時間があります…大変息苦しいと思う状態ではありますが…今の内に各々自由時間を取って下さい」
そう指示を出しカイは指揮官としての業務に戻った
司令部の片隅では、容疑者候補だった二人が椅子にもたれ掛かっていた
「そんな顔をするな、今生の別れでもあるまい」
「………」
「時間だ、行くぞ」
MPに諭されローレンツは連行されていく
その様子を司令部の面々は見送る
「グレイソンさん、大丈夫ですか?」
トビアスが心配して声をかける
「問題ない…とは言い難い…な…」
受け取った煙草を見つめ握り締める
言われた通りローレンツのコートを探り煙草の箱とライターを取り出す
「コイツですか?」
「ああ」
MPに視線を向ける
問題ない、そう判断し頷く
「後は頼んだぞグレイソン、暫くは退屈な休暇を満喫してくる」
冗談交じりに別れを告げるローレンツ
「ローレンツさん…」
グレイソンの顔が曇る
「待ってくれ」
「なんだ?」
突如止まるローレンツ
「グレイソンと話をさせてくれ、預かって貰いたい物がある」
ローレンツの言葉にMPがグレイソンに目線を送る
「…何でしょう?」
意図を理解しローレンツに近づくグレイソン
「コートの中にある煙草を預かってくれ…暫くは吸えんからな…」