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最後に顔を会わせたのはX台地戦から間もない頃だった
各地で三つ巴による小競り合いが続く混迷の時期、地球連合軍の大規模な遠征に参加する事を報告する為に顔を見せに来た
『これが最後になるかもしれん…だから、お前の顔を見たかった』
そう言ってレオンは遠征任務に向かい、帰らぬ人となった…
レオンとの関係が離れ始めたのは、地球連合軍が月にあるバイロン軍基地を奇襲した時位の頃だった…後の月面戦である
月面戦が終結した後、レオンと再開したミリアだったが、彼は彼女と距離を取るような姿勢を取るようになっていた
軽い連絡の取り合いは続いていたが直接顔を会わせる機会は減った…
「ただ今から話すものは、取り調べの時と同じ内容なので余り参考にならないと思います」
そう前置きをおき話し始める
数年前、士官学校に通っていた頃、当時先輩だったレオンと交際していたミリアは、卒業して間もない頃までの間、二人の関係は続いていた
先輩と後輩、兄と妹の様な感じだったとか
トビアスが次なる穂先をミリアへ向けた
「…私…ですか…」
戸惑う様子を見せるミリア
「心の整理がついてからでも大丈夫ですよ?」
グレイソンが配慮を見せる
「…大丈夫です、それに作戦にも影響することですから」
ミリアは問題ないと語る
「…御願いします」
トビアスが頭を下げる
「という訳でこの話、一応機密扱いなので皆さん御願いしますね?」
「え」
「…ちゃっかりしてるねぇ」
と、軽く微笑みながら釘を刺すトビアスであった
はぐらかされた部分も多いが、彼なりに彼女を守っているのだと感じた
「…さて、ルクレツァの事を話したのですから…次はミリアさんの番ですよ」
「も、問題しかありませんよ…」
「まぁその後、監査官の方にも立ち会った上で【町】の一員として迎えましたから」
その辺りは問題ない
そう告げるトビアスだった
「場合によっては貴方の命を失いますよ?」
「…彼女を救うと決めた以上、覚悟の上です」
「司令…」
トビアスの強い覚悟が伺えた
「待ってください…保護したと言いましたが…それだと彼女の身分は…」
かなり怪しいものになる
そう言いかける
「無論、彼女については本部に報告しました…『私の部隊員です』と言ってね」
「へっ⁉️」
ミリアが変な声をあげる
「ああ、ちゃんと精査した上でそう報告しましたので問題ないです」
行き倒れたルクレツァを保護したトビアスは、所属する部隊が駐留する基地へ帰還し彼女の治療と事情聴取等を行った
自分がマクシオンの兵士であることを明かし、部隊の撤退時に『殿』を務め生き残り、合流する為に彷徨っていた
それがルクレツァの事情であった
「荒野地帯Lっていったら…その頃私町の留守を任されてた頃ですよね?」
「ええ、貴女からお土産を頼まれたあの頃ですね」
「…まるで旅行感覚のノリですね」
二人の会話に聞いていたミリアが突っ込みを入れる
「…まぁ、旅行感覚をも吹き飛ばす案件になりましたがね」
トビアスの言に怒りが滲む
「三陣営の戦いが沈静化しつつあった頃、私は消耗した本隊の代わりに採掘施設周辺の哨戒任務にあたりました」
外人部隊に近い立ち位置であったトビアスは、隊のメンバーと共に哨戒任務を行っていた
当時砂嵐が酷くなり一時基地へ帰還しようとした道中で血塗れて倒れていたルクレツァと遭遇した