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そこにあるのはひとであるはずなのに、白ににじむことすらない黒は、者と称するにも物と称するにもどうしようもなく外れた、異形であるように見えた。
そう言って、リズはアルヴィナの小指に自分の小指を重ねて、絡めた。
アダム、アダムと繰り返して、幼い少女はよく似た人形をぎゅっと抱きしめる。
それでも、きっと考え過ぎだろうと少年は空を眺める。
「おかえり、おかえりなさいアダム!!!!!あのね、あのね。やっと会えたの!もう絶対離さないの!!!!だからね、もうはなさないから、ずぅっとZoeyの隣に居るの!!!」
「今日も収穫なしか」
「よーし、お手紙書くの!」
「わぁ……!」
「ゾーイと、また一緒にみたかったな。……一人にして、ごめんねゾーイ。さよなら。」
ゴロンと体をひねり、うつぶせに倒れていた猫は夜空を見上げた。視界にきらきら輝く星たちがたくさん舞っていた。手の届きそうなほどの満天の星空だった。