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かくして、一人の少女が、変わり者達の巣窟とも言える、家電・EXMカスタムメーカー兼何でも屋の中小企業「ほむらワークス」への就職を果たしたのだった。
ホムラ「ああ。よろしく頼むぜ! ようこそ、ほむらワークスへ!!」
真奈美「はい! こちらこそ、よろしくお願い致しますっ!!」
ホムラと真奈美は、互いに笑顔で、ガッチリと握手を交わした。
その大きく熱いホムラの手に、真奈美は驚きつつも、よろしくとばかりに力強く握り返した。
真奈美「えっ? あ、は、はい……」
ホムラはミリィにアイコンタクトで、良いか?と問い、ミリィはそれに大きく頷いた。
ホムラ「……良いだろう。明日の1430時、もう一度ここに来い。その上でまず、色々説明をして、君に何をやって貰うかを決めよう!」
真奈美「えっ? そ、それじゃあ……」
ホムラ「痛ってぇな。どこだって良いだろ、別に……」
ミリィ「ったく……」
真奈美「???」
ホムラ(ふむ……パッと見、Fってところか……)
怪訝な表情の真奈美をよそに、少しニヤついていたホムラは、オホンと咳払いしてから、
ホムラ「……風間。いや、真奈美、と呼んで良いか?」
ふと、ホムラは立ち上がり、色々考える素振りを見せて真奈美に歩み寄る。その華奢な肩に手を置き、驚く彼女の眼差しを、サングラス越しに見つつ、
ホムラ「……良い眼をしている。度胸も良い(視線を真奈美の胸元にさり気なく向けて)……良い感じだ!」
ミリィ「おぃ! 何が『良い感じ』なんだ?」
真奈美「……それからですね、私がEXMのパイロットになろうって思ったのは。戦うだけでなく、人型である故に、被害を受けた人々を助ける事が出来る力を持っている……扱うパイロット次第ではありますけれど、EXMにそんな魅力を個人的に感じてます」
ホムラ「ふむ……」
真奈美「はい……8年前、私がまだ子供だった頃、新宿でテロ事件に巻き込まれたんです。駅地下に逃げる途中、母が崩れた瓦礫の下敷きになってしまい、助けようとして、ビクともしない瓦礫を退かさんと齷齪してたら……そこへ、白い指揮官型アルトが現れ、瓦礫を退かして助けてくれたんです」
ホムラ「いや…驚いてたんだよ。君のような可愛い女の子が、まさかそこまでド真剣に、自身の今後に対する決意と覚悟を持って、ウチに来てEXMパイロットにしてくれ、って志願してきた事に、な……」
ミリィ「ああ、俺も驚いた。そこまで強固に考えてるのには、何か理由でも? そんな感じだが……」
捲し立てる真奈美に、ただただ唖然とするホムラとミリィ。そうして1分……二人の様子に、ハッと真奈美は我に返る。
真奈美「あっ……ご、ごめんなさい……私、面接の最中だってのに、なに変な熱弁を……」
真奈美「そこまで自惚れるつもりもないですけど、そんなテロや災害とかの脅威から、友達や家族、或いは住んでいる所を守れる力がEXMであるというのなら、私はそれを使ってそれらを守り、助けたいと思っています! これはいけない事ですかっ!?」
ホムラ&ミリィ「…………」