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この兵たちが、
ゆっくり 嘆いてゆく。
ゆっくりとした表現にするために
人の心を 丹念に描いた。
俳優が芝居をするのではなく
ほんとの人間が
感情を折り重ねていくように
ゆっくり
悲しみの中に入っていく。
という、手で描いた絵です。
真正面の顔って
絵にするには、
不気味の壁との戦いなのです。
とにかく、
ちょっとした配置の違いで
不気味になる。
自分のイメージ通りの顔にするのに、
コツコツやった
結果なので、
これでいいのです。
こういう顔で、
ムリ目の仕事を
「やります」と答える
男はかっこいいなあ
と思うのです。
背景は 二か所の 古民家で撮影した写真を
重ねたもの。
奈良県五條市 藤岡家住宅
と
大阪府八尾市 旧植田家住宅
どちらも、いいとこです。
いい職人の
いい仕事。
絵からも伝わるでしょ。
もう、このへんまで描けば
分かることだけど
主人公のいる宇宙は
我々の宇宙とは
別なのね。
光が 光子の在り様が
ちがうのね。
一目でわかる、
その感じ。
描いて 見せてます。
人の心は 描ける
と思っている
描ける 才能があれば
人の心は 描ける。
では
ひとの心とは何だろうか?
脳の中の
電子の動き
なんて
古臭い科学論は
糞の役にも立たないことは
知ってる
心とは 何か?
意識とは 何か?
考えた人間だけが
その答えの方向に進める
そう信じて、「心」を描く
主人公は 大殿の言葉に驚いてない。
彼はこの未来は分かっていた。
籠城戦を構えたときから、
この時は、いずれ来るだろうと。
ただ、「時が来たのか」
と思ってるだけ。
そういう表情を描くことに
集中して描いた。
大殿の 鎧
ひもが描かれてるの
アップで
髷をさらし布で巻いてるのも
さらしの質感まで、
描いてます
どうして
ここまで描くのか
だって
大殿だもん
ここに居る武者は
絵でなくて
「命」です
彼らは
この大殿に命を捧げて
果てるのです
大殿に
汚い装束なんて
着せたくない
それが 作家の矜持
このサイズで
壁紙にできるくらいに
仕上げてあります。
この櫓の場面は
もうちょっと
描くだけなので
この一瞬に
雰囲気の
すべてをいれたつもり
光源を一つだけにして
もっと
レンブラント的に
したかったけど
それは漫画としては
やりすぎでしょうな
大殿が
城の女、子供を助けてくれと
語りだす場面。
子供が驚いて、その言葉に
耳を傾けている。
その尊敬する心、
ろうそくのオレンジの光の中で
描き切りたいと思った。
子供は、このあと出てこない。
この片目が
ちょっと見える
表現がすべて
演技ではない、本当に
そう思ってる心。
いいでしょ