リツトラの星@5.4は桜高新歓やりたい PfK20190718さんのイラストまとめ

ちなみに、こういった「男の娘」の変化の最前線は、成人向け男の娘アンソロジーコミックで、ページの少なさや読者層が「男の娘」への理解が深いので、「男の娘」である理由を説明するのは無駄でしかないため、2000年代後半には理由や経緯なく「自主的な女装をする」「男の娘」が主流になっています。

2010『HEROMAN』ジョセフ・カーター・ジョーンズ(ジョーイ)
戸塚彩加など、「男の娘」役を演じられることも多い、小松未可子さんのデビュー作ですね。
彼も劇中で女装をしたことがあります。

2005『処女はお姉さまに恋してる』宮小路瑞穂
渡良瀬準と同時期に出てきた「男の娘」で、「男の娘」ブームの立役者といわれています。
タイプとしては、準と対照的に「外部から女装を余儀なくされた」タイプです。
このプロフィールを見ると、ブリジットと共通点が多いですね。

2012『ひめゴト』有川ひめ、有川かぐや
兄のひめは、「外部から女装を余儀なくされた」タイプです。
弟のかぐやは、自分のかわいさに自覚的で、「自主的に女装をする」タイプです。
「男の娘」の主流が入れ替わる時期に、両方のタイプがいるという意味でも、「男の娘」通史で欠かせません。

2002『エア・ギア』鰐島亜紀人・咢
双子ではなく、いわゆる二重人格です。
亜紀人は、主人公の少年に行為を持っています。

2003『ブロッケンブラッド』守流津健一、羽生源太郎、深野としお
健一は典型的な「女装を余儀なくされたコメディタイプ」です。また、ブリジット以前のネタキャラの空気もありますが、「男の娘」を主役とした作品で、複数の「男の娘」が出てくるという点でも、「男の娘」通史では欠かせません。

このように、浅梨とブリジットは、生き方や境遇に共通点がありながら、その歩みは対照的で、対比的に語ることで相互に補完できるのです。

ハッカドール3号と我妻浅梨。
二人の「男の娘」は、ブリジットというパイオニアがいたからこそ、「男の娘」として生を受け、今日まで長く愛されているのです。

実質的に「女の子」として育った環境。
女らしさを自分らしさとして受容する浅梨と、両親のために後天的に男らしさを得ようとしたブリジット。
名家の跡継として男として生きることを余儀なくされた浅梨と、葛藤を経て女性としての自分を受容できたブリジット。

なお、魔物との戦いで劣勢に追い込まれた世界線「裏世界」での未来においては、女の子らしさを捨象した男性として、戦闘の最前線に立っているようです。
ブリジットも、男として生きる可能性があったのかもしれないと思わずにはいられません。

主人公の転校生(男)への接し方も、「男だから…」と躊躇することはなく、むしろ恋心があるかのような、距離感を近づけるアプローチをしてきます。